第72回 詰まりの原因 (2002/04/20)
心臓の疾患といっても冠動脈の閉塞以外にも、弁の異常、心房心室の肥大による血液の浸出力低下、壁面に穴が開いたりといろいろあるが、冠動脈閉塞は血管系の問題で他の筋肉系の疾患とはその点が異なっている。
つまり閉塞は血液自体の性質に主な原因があるといえる。閉塞を起こす三大要因は、食事、ストレス、喫煙といわれている。コレステロールの多い食事やストレスは血液の粘度を上げで流れを悪くし、喫煙は血中の酸素濃度を低下させる。そのほかにも遺伝的な要因もあるようだ。
では深刻な閉塞状態になった自分の場合は何が主な原因だったのだろうか? 家族には心臓に疾患のある人間はいないから遺伝的なものはあまりない。また過去の血液の疾患についてみると、子供期の敗血症、青年期の高脂血症・尿酸による痛風があるが、といわけ痛風の影響は大きいだろう。
食事については特に脂っこいものが好きという嗜好はなかったが、バランスも考えず長期間同じものばかり食べていたり、食べ過ぎによる肥満などはマイナス要因といえるかもしれない。
ストレスについては、仕事がら高度の集中を要し時間が不規則になることが多いので、要因としては大きいと思う。また自分自身のものばかりではなく他人のケアレスミスによる失敗や、何度も同じことを説明しなければならないような状況は特にイライラする。
喫煙に関してはタバコは吸わないがマリファナやハシシはよく吸っていた。もともとマリファナなどの必要摂取量自体はタバコに比較するとかなり少ないし、習慣性のないから頻度もすくない。しかし、効果を高めるために煙を肺の奥まで吸い込みしばらくそのまま留めるので酸素の供給という点では相当の負担になっていたかもしれない。
それに10年前に、チベット旅行に行った際、酸素の薄い環境で長時間過ごし高山病にかかった影響も大きいように思える。それいらい体ががたがたになった。
しかし、やはり最大の要因は糖尿病だろう。高血糖の血液は流れが悪く毛細血管も簡単に詰まってしまう。それに上のような要因がからんで心臓冠動脈の閉塞を起こしたのだろう。
普通は閉塞が起こると胸の痛みなどの自覚症状が出て疾患が判明することが多いようだが、自分の場合は痛みの自覚はなく、やけどという事故の結果として心臓疾患が発覚した。
冠動脈の閉塞状況は心電図ではわからない。カテーテル検査ではじめて診断できる。カテーテル検査は相当大掛かりなものなので、胸痛で苦しむなどの明確な動機がなければなかなか受ける機会はない。
その意味で、今回のやけどは不幸中の幸いだったといえだろう。
人間、何が幸いするかわからない。
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