第56回 冷えと寒さ (2002/03/10)
冷えと寒さは密接な関係にあるがまったく別ものだ。冷えとは身体内部の状態を意味し、寒さは外部の状態をあらわす、と考えればいいかもしれない。だから、寒いから必ずしも冷えるというわけでもなく、また逆に暑ければ冷えないというものでもない。
確かに寒ければ冷えやすい。厳冬時に長時間外にいれば冷えを通りこして凍えてしまう。これは体温が直接外気温によって奪われるからその理由は明白だ。防寒具やほっかいろで外部に体温が流失しないようにすればある程度は防げる。
反対に暑くて冷えるというのはどういうことだろうか。原因は汗にあると思う。暑くてかいた汗が体の表面や衣類に残り、やがてその温度が下がって体温を奪い冷えを誘発するのではないか。寝冷えはこの典型例だ。あまりにも暑ければそれなりの心構えというものもできるが、春先の暖かさは
くせものだ。
ちょっと暑いからといって布団をはがして寝てしまったらしっかり寝冷えをしてしまった。いつのまにか体を冷やし風邪をひいてしまった。とりわけ病院というところは風邪のウイルスが蔓延しやすく、こちらも体力が低下しているのでやられやすい。
息子によると、沖縄では3月のはじめにインフルエンザがピークになるという記事があったらしい。確かに、入院患者のほとんどが咳きをしているし、看護婦さんも例外ではない。
医師も診断中にくしゃみをしていた。今の沖縄はインフルエンザが蔓延しやすい外気温と湿度なのかもしれない。
考えてみれば当初の手術の予定はこうした時期のど真ん中にあったわけで、延期になってよかったのかもしれない。
8年前の2月アラスカのフェアバンクスにオーロラを見にいった。厳冬期。最低気温氷点下40度を経験した。しかし滞在していたのはチェナという温泉でしじゅう温泉プールで泳いでいたからぜんぜん冷えを感じなかった。厳冬の外を冷えを感じず歩き回るのはとても気持ちよかった。
インフルエンザにやられていた息子もとたんに元気になった。厳寒の地ではインフルエンザも生きられなかったようだ。
フェアバンクスでの気温表示は華氏がふつうだ。これは厳冬のなかを動物が生きるうえで大変わかりやすいかららしい。華氏の0度は摂氏のマイナス18度くらいだが、この温度は動物の血液が凍る温度なのだ。
つまり華氏0度以下の外にでるときにはとくに防寒に注意しなければならない。自動車もエンジンはかからなくなる。
駐車場にはエンジンが冷えないようにする電気プラグも用意されている。ドライブ途中でエンコするとやばいことになる。また、素手で金属に触るとくっついて離れなくなるという。そうしたときは小便をかけて剥すのだそうである。でもそんな寒さに露出したチンポは大丈夫なのだろうか?
<<前のページ 次のページ>>