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病の細道

 

第45回 病院とインターネット (2002/02/07)

 

今日、心臓バイパス手術をしてもらう予定になっている県立病院に事前検査を受けに行った。いずれ転院して入院することになるのでいろいろ気にして見てきた。外来2度目だったので少し勝手がわかるようになってきた。

病院の建物は建て替えたばかりの新築だ。最新の病院らしくロビーは広くホテルのようなたたずまいをしている。壁が白く、暗く、消毒臭いという古い病院のイメージはどこにもない。案内版はデザインも統一されていてシンプルでとても分かりやすい。

設備も新しい。あちこちに備えられたコンピュータのモニタはすべて液晶だ。入り口には診察申し込み用のカード端末も並べられていて、いちいちカウンターまでいかなくってもいい。構内LANも整備されているようであちこちに無線のハブがある。

やはり新しい病院だけのことはある、と感心しながらフッと公衆電話をみた。いやな予感がした。緑電話ばかりでISDNのグレー電話がない。ICカードの電話もない。ということはモデムケーブルを差し込めるモジュラー付きの電話がないということだ。これではノートパソコンをインターネットに接続できないではないか。ガァ〜ン。

もしかしてこの病院はインターネットのことは考えていないのか? それとも例の冗談は本当なのか? 診察室のパソコンはWindowsだ。入り口のカード端末を動かしているパソコンにもロゴが貼ってあった。
Windowsに対抗しているリナックスOSのコミュニティでは「Windowsをつかっている病院ではインターネットに接続することを禁止しているらしい」という噂が流れている。

Windowsはセキュリティに甘く、インターネットにつなぐと途端にウイルスに感染し、大事なファイルが破壊されたり盗まれたりする危険が大きいからだという。

さもありなん。とすればこの病院はそのことを知っていて、インターネットにわざと接続できないようにしているかもしれない。だとすれば少なくともカルテが外部から改ざんされることはないのでそのぶん安心できるということになる。

冗談、冗談。それにしてもどうやってメールを送ればいいのやら。

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