第30回 ウイルス (2002/01/23)
まず、皆様に深くお詫びを申し上げなければなりません。
昨日、この連載メールに関連してウイルスメールが届いたという連絡をうけました。
現在までのところ、ウイルスの名前や詳細については不明ですが、ウイルスに感染したパソコンに連載メールが届き,メールのヘッダに書かれているアドレス先を踏み台にされて、ウイルスメールを撒かれた疑いがあります。
それを受信すると、見知らぬひとから、意味のないタイトル、または、出した憶えの無いのにReのついたタイトルで返信されたようにみせかけたメールが届きます。開くと意味不明のアルファベットの文字列が表示されるようです。内部のファイルへの影響や感染の有無についてはまだ不明です。
メールヘッダには連載をお送りしているすべての方のアドレスがかかれております。これはOutLookで同報メールをするためにあて先に複数のアドレスを登録しあったためです。このためすべての方にウイルスメールが送付された可能性があります。気ずかれた場合はすみやかに削除し、ウイルスチェックをかけてください。
弁解になりますが、同報メールのこうした危険性については知らなかったわけではありませんでした。最近では危険なOutLookは使わず、もっぱら他のメーラーやメーリングリストを利用していたのですが、今回の緊急入院に際しては普段使わないノートパソコンとOutLookを使わずを得ませんでした。
ベッドの上ではメールを書くのが精一杯で、危険としりつつ同報してしまいました。
しかしいかに病床とはいえ、コンピュータを生業にしている自分としては今回の事態には情けなく恥じ入るばかりです。
昨晩ずーと寝ずに考えていました。このようなご迷惑を皆さんにかけた以上、もう連載メールを中止しようと何度も思いました。今できることは何か、今やらねばならぬことは何か、繰り返し考えました。励ましていただいた方にどのようにお詫びしたらいいのか途方にくれました。自分に残された細道は何か。
やがて、何よりもまず、自分が旅人であるという原点にもどるべきだと思いました。旅においてはそのときにもっている知識、体力、持ち物だけでやりくりする以外はありません。後戻りすることもできません。いまここにあるコンピュータで何ができるか? 朝までにメーリングリスト用のプ
ログラムを作って連載メールを続けよう。もしできなければ連載を中止しよう。これが結論でした。
あらたなプログラムを作ったにしろ、過去の失敗が消えるわけではありません。しかしそれをどうやって乗り越えるかが自分の進むべき細道と決めました。病気と同様にウイルスにも負けるわけにはいきません。
あらためて思います。1ヶ月病床にあり連載メールを書くことが自分にとってどんなに大切で、また皆さんの励ましがどんなに自分を支えてになってくれたことか。
幸い朝までにプログラムを作ることができました。これ以上のわがままはとても心苦しい限りですが、どうぞこれまでと同様にお付き合いくださいますようお願い申し上げます。
また、自分にできることは余りないかもしれませんが、もしウイルスの被害があれば連絡してください。
(編集注)ここで言及されているのはメール配信先のみで、このホームページの連載をお読みになっても、ウイルスに感染するおそれはありません。
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