第5日 マッサージバス

 

2000.4.1 (5日目)

今日の目的地は花蓮だ。花蓮は台湾最大の観光地。海あり山あり。目玉は太魯閣で大理石の大渓谷。台湾への旅行者はだれでも訪れるという。台東から花蓮へは山線と海線の二つのルートがある。鉄道は山でバスは海だ。山側もおもしろそうだが、海岸線の様子をみてみたいのでバスでいくことにした。

ちょうど良い便は9時半しかない。そのあとはどういうわけか15時10分の最終便になってしまう。鉄道はもっと本数があるようだが、バスを利用するひとはあまりいないようだ。9時半にのるには9時前にホテルを出なければならない。メールを書いている時間がなくなるので無理だし、街をもうすこし歩いてみたかったので最終便で行くことにした。着くのは夜になりそうだがしかたがない。

10時過ぎにチェックアウト。とりあえず海岸の方まであるいてみることにした。夜の活気からまだ目覚めていないような感じで車や人通りもすくない。あちこちに南国特有の大きな木が目をひく。沖縄の県花デイゴのような花のついた大木もある。こうした木が道路の並木として整備されていたら第一級の美しい街になっていただろうに残念だ。

海岸は長い堤防で仕切られ、いちおう公園にはなっているもののどうということもない。台東には離島へ行く港があるはずだがここがらは見えなかった。港は街の中心からは大分離れているようだ。公園では10人くらいの男たちが賭けポーカーをしていた。10元が単位のようだった。朝からほかにすることがない様子だ。そういえば街にはゲーセンやビリヤードなどの店も多い。港町のせいか。

台東のパソコン屋さんの看板。かっこいい。おばあさんは日本通家族経営の雰囲気がいっぱい

街はずれの寺院などを見学して表にでると「電脳」の看板に気がついた。この街ではほかにもみたが大抵は何もおいていなくて携帯電話を売っていたりする。しかしこの店は少し様子がちがい店頭にモニターの箱が積んであった。早速なかにはいるとまぎれもないパソコン屋だった。店頭売りよりも配達やサポートが主体らしく、片側では事務をやりもう片側にはいくつかパーツ類が雑然とおいてあった。家族経営そのもので修学前のかわいい女の子がおもちゃで遊んでいる。

めぼしいものは何もなかたが一休みしながらマザーボードをみていると事務員というより店のお母さんが日本語であいさつしてくれた。とりあえずメールを送れないか聞いてみた。しかし片言の日本語しかわからずどこかに電話してくれた。しばらくして日本語のはなせるおばあさんがきてくれた。しかし当然なのかもしれないがコンピュータのことがわからない。どうやら店主は息子さんらしく、もうすぐに用事からもどってくるから待っていなさいという。

沖縄にもいったことがあるし、毎日NHKもみているて有珠山が噴火したと教えてくれた。相撲の大ファンらしく誰が何勝で優勝したとかこちらよりも全然詳しい。30分ほどして息子さんがもどってきた。さすがに店主らしく話しが簡単に通じた。試してみろというのでパソコンをモジュラーに差しメーラーを起動。あっさり接続に成功。2分ほどで送受信が完了。どうしてホテルから出来ないのか不思議がっていた。PBXの説明をしたがなかなか納得してもらえなかった。

おばさんによるとこの街にもパソコン屋がいくつかできたが売るだけでサポートができないので多くはダメになったという。この店の奥には5台くらいのパソコンをおいた教室らしきところもありなかなか進んでいた。しかしお母さんは見積もり伝票を手で書いていた。このあたりはまだまだなのかもしれない。この店がもっと繁盛して街にさらに貢献してくれることを願った。再び台東を訪れることがあったらまた訪ねよう。

ワンタンメン。台東ではすべてがうまかった駅前のバス乗り場で切符をかった。出発までまだ3時間ほどあり食事もかねて再び街をうろついた。歩ける範囲はもう見慣れた風景になっていた。屋台をみてまわったが皆それぞれ工夫をしていて看板は同じでも中身はいろいろだ。丁度ワンタンメンをつくっているところの店をとうりかかったらとてもうまそうだったので食べてみた。期待通り。この街の料理にははずれがない。

一時間前にバス乗り場にもどってみると学生たちで混雑していた。そういえばパソコン屋のおばあさんは今日から学校が休みに入るといっていた。どうやら普段は台東の寮から学校にかよい帰省する高校生たちらしい。みやげの袋をもった女学生もいた。バスは長距離だしそれなりの値段だったので座席指定かと思っていたがとんでもない勘違いだった。普通の路線バスだ。改札がはじまると列ができ全員はすわれそうもない。

やっと海側の最後列の席を確保。かなりの人が立っていて混雑している。重いエンジ ン音がうなり定刻出発。見かけよりかなりのボロバスだ。街中をぬけしばらくすると海岸がみえてきた。天気もくずれかけていたせいかとくにきれいというほどでもない普通の海岸だ。ところどころで小さな漁船が漁をしている。30分ぐらいすると山が近ずき平野というよりなだらかな斜面になってきた。家はとぎれることはないがたいていは道路沿いに建っているだけだ。ところどころに村があり、バスはバイパスからそれて狭い道を村の中心に入って行く。店が並び、果物などがきれいに並んでいる。でも人の乗り降りはほとんどない。

見かけよりもオンボロ1時間半ぐらいで成功という町についた。このあたりではかなり大きい町で、もしかしたら市かもしれない。このあたりまでは台東からもバスがひんぱんにでているようだ。成功を過ぎると山はさらに近くにせまり人家もとぎれがちになる。ときどき学生が友達とあいさつをかわして一人二人とバスをおりてゆく。まわりにまったく人家のみえない停留所もある。確かにここから毎日台東の学校に通うのはとても無理だ。

ところどころに岩などがうつくしい海岸や渓谷などもみえる。ゆったりとドライブでもしたいところだ。バスはエンジン音の割にはスピードがでない。地図でみると海岸線はまっすぐなのだが山がせまりカーブにつぐカーブだ。舗装されてはいるものの路面がわるくときどき大きく揺れる。最後尾にすわったせいかとくに揺れる。飛行機だったらベルト着用のサインがでて酸素マスクも落ちてくるかもしれない。

6時を過ぎあたりで暗くなり、やがて外の景色はみえなくなった。車内の照明も消してあり目を閉じて眠るよりすることがなくなった。乗客はほとんどが下車して終点の花蓮までいく数人の外国人しかいない。座席に横になった。車の振動がここちよいマッサージ機のようだ。だがときどきガタンと上下に強く揺れると内臓にパンチをくらっているようになる。なんだか揉まれて殴られてで結局つかれる。外は完全に雨になり、雨漏りのしずくが落ちてくる。

あやしげな白い肉のかたまり8時前、花蓮駅に到着。大雨ですぐに駅に非難。しばらくしてホテルを探しに外へ出 た。ここは最近整備された新駅で道はひろく広場は大きい。駅前といっても300メートルぐらいは十分にはなれているが看板をたよりにホテルにはいった。やはり学生たちで混雑していた。しばらくまたされたが無事チェックイン。1000元。

早速、食事に出た。近くに海鮮食堂があり、みたことのない白い肉の塊がおいてあった。もしかしたら鯨かもしれないと思って注文してみた。子供のころたべた鯨の味や肉の様子は忘れてしまったので正確なことはわからないが、もしかしたら台湾は国際捕鯨機関に加入しておらず鯨をとっているのかもしれないと思ったりした。帰るときに主人に確かめたら鯨ではなくシャークつまりサメの肉だった。脂っこくなくてとてもおいしかった。

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