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2000.3.30 (3日目) 9時55分台北発自強号で高雄に出発。この列車は台湾最速で300kあまりを4時間半で走る。案外時間がかかるがこれは途中で停車する駅が多いせいもあるようだ。台北駅をでてからしばらくは地下を走り、やがて地上にでると古い町並みの裏側を通るような感じで、立っているのが不思議なくらいボロのビルが林立している。昔の香港みたいでとてもアジア的というかなつかしい風景にもみえる。10分程で次の駅に停車。全車指定なのに乗り降りする人が結構多い。自動車では渋滞がはげしいので多少割高でも時間が確実で楽な鉄道を利用する人もいるのかもしれない。 古い町並みはやがて終わる。以降は普通の感じの町並みが続く。高速道路も高雄まで整備されているようでしばらくは鉄道と交差をくりかえして伸びている。やはり貿易立国だけあって船のコンテナを陸送するトラックが目立つ。そういえば台湾の高速道路は日曜や休日は無料になるという記事をどこかで読んだ記憶があるが本当だろうか。 列車のスピードは車と大して変わらない。これはレールが日本と同じ狭軌でカーブも多くさらに停車駅も多いためかもしれない。日本の急行列車といった感じか。でも席はとてもゆったりしていて快適だ。まあ4時間ぐらいだから多少早くてもメリットは少ないかもしれない。鉄道マニア的にはあまりに日本と感じが同じ過ぎて、ヨーロッパの快速TGVやインターシティ、あるいは今も蒸気機関車のはしる中国などのほうが胸躍るに違いない。 台湾は中央に4000メートルちかい山脈がはしり東西が完全に分かれている。西側は割りあい平地が広がっていて工業も発達している。路線全体の印象は日本の東海地方をすこし疎にしたような感じ。日本では西側といえば山陰や冬の豪雪地帯などがあり裏日本などといわれたりどことなく暗いのだが台湾の西側はそうではない。水田のあいだにおおきな工場がちらほらみえるし、大きな街には高層ビルが建っている。だが残念なことにパソコン関係の工場どころかパソコンショップの看板もほとんどみられない。パソコン工場は台北の付近に集中しているようなのでしかたがないのかもしれない。もっと台湾全体がパソコンアイランドと思っていたが少し期待がはずれた。 途中、嘉義のあたりで北回帰線をこえる。このあたりで風景ははっきりとかわる。なによりもあちこちにヤシの木が林になって熱帯地方独特の雰囲気がみられる。北部ではまだ田植えがはじまっていなかったが、ここでは稲が数十センチにもなっていて緑がまぶしいくらいだ。そういえば北回帰線をこえる少しまえでは木々の新緑が美しい地域があった。熱帯と亜熱帯が回帰線でこれほどみごとに分かれるとは想像してもいなかった。 2時半に高雄に着いた。やはり暑い。さっそくTシャツ一枚になる。駅前からいくつ もホテルの看板がみえる。これはホテルさがしが楽だ。とりあえず駅前の中級そうなホテルにいってみた。900元で安い。チェックインしてみるとなかなかいい部屋だった。やはり台北あたりとは相場が違うようだ。台北では倍はするかもしれない。貧乏旅行者にとってはありがたいかぎりだ。 街へでてみると、やはり台湾第二の都市だけあっておおきい。でも台北とくらべるとどことなくゆったりしている。歩道には段差がめだち少々閉口するがなにか安心してあるける。結局、台北ではメールを出すことができなかったので、まず電話局にいってみることにした。こちらでも携帯電話がブームのようであちこちに店がある。でもインターネットの看板はない。電話局で、パソコンのモデムと国際電話回線をつながせてほしいとたのんだが、英語があまり通じないこともあってあきらめざるをえなかった。これでは沖縄にかえるまでメールを出せないかもしれないと思った。 マクドナルドで休みながらしばらく歩き、駅前の大通りにでた。「電脳」という看板が目にはいった。早速入ってみると受付の女性とパソコンが数台おいてあるだけ。よくみると「電脳教育中心」つまりパソコンスクールだった。インターネットのことを聞いてみたが英語はぜんぜん通じなかった。通りにもどり見回すと同じような看板があちこちにみえる。しかしパソコンそのものやパーツを売っている店はなく、ここらあたりは予備校などもあり教育関連の街らしかった。 別の大きそうな店に入ってみるとインタネット・エクスプローラが動いていた。中国語でMSNが表示されていたので早速asahi.comに繋いでみたら見慣れた画面がでてきた。これはいけるかもしれないと思い受付の女性に相談したがやはり英語が通じない。英語のすこしわかる別の女性がでてきてくれたが今度はインターネットのことがよく分からない様子。しかたないのでこちらのノートパソコンを出してフロッピーに送信したいメールとアドレスを転送し、店のパソコンのメーラーに登録して送ろうといろいろやったが中国語バージョンとは多少フォーマットが違うせいか結局うまくいかなかった。 そうこうしているうちに英語もできてパソコンにも詳しい男性がでてきてくれた。うまくいかないので日本のプロバイダに直接つなぐから国際電話回線のモジュラーを使わせてほしいとたのむと電話をはずしてくれた。ケーブルをつなぎ送信してみる。なかなかつながらない。1分ぐらいしてやっとパスワード照会の画面。やった。しかし回線状態が悪いせいか通信速度が上がらない。写真を挿入しているせいもありやたら時間がかかる。でも確実に通信している。受信メールには励ましのメールが来ている。やっと通信終了。おもわず店の人に感謝、感謝。 こうして台湾からの第一報を送信することができた。ところがホテルに帰ってメールを確認すると一日目のメールが送信されていなかった。なんというドジか。いろいろメーラーをいじくり過ぎておかしくなってしまったらしい。明日、また店に行って頼んでみよう。三日目のこのメールと第一日目のメールがいっしょにとどくかもしれないが、これも今の台湾のメール事情を反映している。
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