インド・カルカッタ (38)
結局1時間ほどたってパーティは終わりました。
私は、眠れないまま寝袋に入っていました。
「田森さん寝たのかな?」
高田さんが独り言のようにつぶやきました。
今更返事するのもかったるい話です、狸寝入りを決め込みました。
何もなかったかのように皆寝袋を出して潜り込みました。
足がまたうずき出しました。今日歩いたこともあって傷口が少し開いた感じがします。
列車は何度も止まり、ホームの物売りの声が聞こえてきます。普通なら物売りは強引にドアを開けて客車に入り込んでくるところですがここはミリタリー、さすがに入り口のドアの前にで声を張り上げるだけで中まで入ってきません。
そして出発、ホームの雑踏の音が流れ飛んでいき小さくなっていきます。後は列車の車輪の音。鉄橋を渡っていく音、何もない平原を走っていく音、街の中建物の壁に反射されたくぐもった音。
何度も何度も繰り返し繰り返し音が変わっていきます。
ずーと朝まで眠ってないように思いました。うとうとはしたかもしれません。記憶は続いているようで連続はしてなかったかもしれません。5分寝て、10分目が覚めていて、20分意識が飛んでいて、20分耳だけが意識が残っていて、45分間TVのザーと言う雑音だらけの意識があって、5分だけ目が覚めていて、
そのうちデッキの堅い床の痛さだけが背中の意識に残り、列車の箱に載った私たちが移動していきます。
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