インド・カルカッタ (31)
「最初はさ、皆気負ってさ、日本人は島国根性で国際性が足りないとかな考えるけど、だれもそんなもの目新しいとは認めてはくれんよ。みんな日本出てくるとき個人旅行する連中同じ事考えてるし。自分だけは独自の個性的な考え持ってるなんて思うけど、新聞に出てるような事誰も知ってる。」
「ほとんどの奴、日本人同士で群れて現地の人と話さえしないこんな事ではせっかく旅行に出てきた甲斐がない、日本人以外の外人旅行者とか現地の人と親しくしなければならないと思ってる。なあ、あんたもそう思ってるでしょ。」
「日本人同士で固まるのかっこわるいじゃないですか。外国文化の接点は現地の人とのふれあいから生まれるじゃないですか。高い金払って海外に出たのにそれじゃあ面白くないですよ。」
この部分は譲れない所でした。海外に出たら、そこの文化をまず体験しなければ何も始まらないと考えたからです。
「今までさ、日本出てからここ来るまで何人現地の人と話した。」
そんなもの沢山いました。沖縄から始まって台湾、香港、タイ、ラオス、マレーシア、シンガポール、ビルマ、インド。友人の家族、パンパン宿のやり手婆、安宿の係員、観光局の係員、航空会社社員、スチュウワデスさん、ビルマの病院の人達、病院まで運んでくれた人。
「沢山います。特にビルマの人達親切だったじゃないですか。」
「ああ、ビルマはあったな、まれな事故でたまたまなったと言う所だろう。旅行関連の仕事に関わってる人を除くとどれだけ残る。」
「ビルマと沖縄の友人、あと各国から来た旅行者、これは沢山いました。」
「旅行者も旅行していて現地の人じゃないだろ、これも引いてみると、たまたまの事故の時助けてくれた人と友達の家族か、整理してみると旅行中に出会う現地の人なんかいないだろ。」
いや絶対そうじゃない、必死で高田さんの話の綻びがないか考えました。
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