インド・カルカッタ (25)
「俺ら旅行者には、お互い行きずりの関係だから、深刻な問題でもないけどな。」
「へー、じゃあ、どこの外人と一緒に旅行するのが楽ですか?ちょっとだけラオスでドイツ人と一緒になったことあるんですが凄い真面目で、良く本読んでていい人でしたが。」
「外人て、あんたもここじゃあ外人でしょう。まそんなことはいいとして、個人差はかなりあるけど、アメリカ人は悪くないな、無銭旅行風に見えても自分の国の$がそのまま通用するから、金持ってるよ。余裕あるよな、余裕ある奴はまず悪い事しない。」
「ドイツ人も根性あるし、真面目だな。酒酔っぱらって軍歌歌うのはドイツ人と日本人くらいらしいから、お互い合うのかもしれない。イギリス人、元植民地旅行する分には良いけど、男のイギリス人合わないな、女性なら許せるけど。」
「一番難しいのは、フランス人かな。マイナーなマニアックなことやり始めるの早いことは早い。柔道なんかも早かったし割とやってる人多い、ファッションで着物取り入れるのも明治時代からだったし、そういう点では日本人受け入れは可能だけど、体質的に無理みたい。」
これもよくわかりません。
「どういう事ですか。」
「そうだなー、実際現地行ってみないとわからんけど、こんな事もあったな。フランス人のジゴロに日本人の女の子が引っかかって、金貢いでいた。そいつ日本人だけでなくフランスの女の子も何人か貢がせていたんだな。お決まりの鉢合わせがあって大騒ぎになった訳よ。フランス人の女の子にしてみれば、東洋人とやってる彼氏が許せない、自分の存在が否定されたような気になったんだな。」
「で、隣の部屋でフランス人の女の子と、彼が話し合いを始めた。そのとき彼がとんでもないこと行ってるのが耳に入ってきた。それがショックで日本人の女の子自殺しちゃったよ。」
「ジゴロの兄ちゃんなに言ったと思う。わかるか。」
「いやー、わからんです。」
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