インド・カルカッタ (23)
女の子達(と言っても私よりたぶん皆年上ですが)4人デッキに乗ってきました。2人は旅行者の定番の格好です。GパンにTシャツ、後の2人はかなり旅慣れしているらしく、ハデハデのミラーワークの民族風シャツにスカート。
Gパンの方がドイツ、ミラーワークの方がイギリスでした。女性が乗ってくると空気がぐっと和らぎます。埃っぽいハウラ駅の匂いが、ふわっとした柔らかい香りに変わります。ちょっとわきがっぽい匂いも混じってますが、モストウェルカムです。
突然ガクンと列車が揺れました。パトナへ向けて出発のようです。日本のように発車のベルも放送もありません。定刻より10分近く遅れていますが、まあインドですから定時の誤差の中にはいるでしょう。うるさく窓の外でがなり立てていた物売りの姿が後ろへ流れていきます。
30分ほど経って、やはり軍隊の偉いさんらしいカイゼル髭のおっさんが出てきました。この車両は兵隊の輸送用のものだから一般の旅行者は遠慮してくれと言ってるようです。もちろん、私が言われたわけではなく、話はイギリス人がしています。会話は大筋で内容がわかるものの、細かいところではさっぱりわかりません。高田さんも会話に参加し始めました。
最初はかなり強い口調でのやりとりでした。雰囲気から想像するに次の駅で降ろされそうです。真夜中に中途半端な駅で降ろされたんでは大変困ります。2,3時間走った駅では乗り込む人はいたとしても、降りる人はいそうもありません。2等の自由席車両にどう乗り込めと言うのでしょうか。
話は延々と続いています。高田さん私のことも交渉の中に入れているようです。こちらを指さしびっこひくまねもしています。髭の親爺こちらを見ました。私は左足のGパンをめくり上げました。ブーツの上に包帯がちょっと顔を出しています。これではアピールできません。あわててブーツを脱ぎました。
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