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トラベルメイト田森君は西へ

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田森くんは西へ vol.199

 

ビルマ(ミャンマー) (15)

 

「XXXXX、YYYYYY、ZZZZZ。」

周りの人も全員椅子から立ち上がりました。多分飛び交ってる言葉はビルマ語でしょう。足からはどくどくと血があふれ始めました。足は痛いと言うより鈍痛で痺れたままです。  

私は左手で足首押さえて、傷口を右手の親指と人差し指でつまみました。 いてー、今度は鈍痛でなく、マジで痛いです。 血は、止まりません。

「タオル持ってませんか?」

荷物はYMCAへ預けたままで、財布だけもって手ぶらで屋台に来ています。昼間なら何時も持ち歩いているショルダーにタオルは入っていますが。

「今なにもないな、ちょっと待て頼んでみる。」

高田さん周りの人を見回しました。 一人のおじさんが、手で高田さんを制止しながら屋台のクーラーボックスから氷を取り出しボウルの中で細かく砕き始めました。ある程度細かくなったところでボウルから氷をすくって左足のくるぶしに押しつけました。

「いてってて、いたー。」
傷口が押される痛さと、氷が傷口に押しつけられる冷たさの痛みと、二重奏です。

「わかった、わかった、痛い痛い、ちょちょ、待って、待って。」

意味不明の言葉が口から飛び出します。

「XXXXX」
おじさんがビルマ語で何か言うと、近くにいた二、三人の人が体を押さえつけました。

「うーーー。」
痛みで言葉も出ません。 かき氷を食べたとき頭のてっぺんに抜けるような痛みが走るときがあります。そのときは、口から鼻のおく通って頭の上へ抜けます。距離にして30CMくらい。

今回は、くるぶしから左足通って内臓を通り頭直撃です。距離にして1.7m弱 5分くらいでしょうか、貼り付けの刑になっていたのは。心なしか血の勢いが止まってきたようです。乾いたふきんよこしてくれた人がいました。それ2つに裂いてくるぶしを堅く縛ってもらいました。 血は止まりません。

「まいったな、病院行かないとな、ホスピタル、ウェアリズ、ホスピタル?」
高田さん周りの人に聞きました。

「ジャスト、テンミニッツ!」
良かった英語が話せる人がいました。 学校の先生風の人でした。

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