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トラベルメイト田森君は西へ

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田森くんは西へ vol.134

 

マレー半島南下

割と大きな道路なのに車がほとんど通りません。たまにバイクとかトラックが通り過ぎていきます。宿でもらった段ボールの切れ端に「IPOH」とボールペ ンで書き、車が通るごとに道路に差し出しました。車は通り過ぎるだけで、スピードゆるめようともしません。  

一時間たちました、朝の涼しい風がだんだん熱風に変わっていきます。道路も直射日光に照らされ焼け始めました。誰だ、マレーシアはヒッチがしやすいなん て教えてくれたのは。気分が少しずつ落ち込み始めたようです。  

二時間たちました。太陽の位置は頭の真上に近くなっています。暑い、日陰にいてもまだ暑い。それにしても車の数の少ないこと。10分ごとに一台の間隔です。車くるごとに立ち上がってヒッチのポーズするのが面倒になってきました。  

一度決めたことだから、12時まではヒッチ続けなければならんでしょう。しかし暑い。親指たてるヒッチのポーズも片の高さより腰の方まで下がってきます。だるー!!!  

やっと一台止まってくれました。白い開襟シャツ着た20過ぎの兄ちゃんです。 しかも、ホンダのカブ,50CCのあのホンダカブです。

「IPOH?」

私「イエス、イエス」

「ノット、ツー、ゴー、IPOH」

私「ウエアー、アー、ユウー、ゴーイング」

「JURU」

私「ウエアー?」
じゅるなんて町知りません。

「ワンアワー、」

私「JURU イズ、サウス?」

「イエス、サウス」  

南方面なら、一歩でもシンガポールに近づけばいいのです。車でなくとも南に近づけることは確かでしょう。

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