マレー半島南下 (20)
30分程経って途中の町で椰子の実の果汁を飲みました。ちょっと生ぬるかっ たですが、全身埃まみれの体と喉にはそんなことかまいやしません。
私「ハウロング、ダズ、イット、テイク、ツー、ジュル」
「30ミニッツ」
やれやれ。バイクに乗って10分くらいはまだ快適でしたが、それすぎると50CCの後ろのシートは少々快適さにはかけました。お尻全体が振動で痺れてきたのです。
しょうがない、このまま乗っけてもらうしかありません。ここで降りても車がすぐ拾えるとは思えません。
私「サムボデイ、トールド、ミー、ヒッチ、イズ、ヴェリー、イージー、イン、マレーシア。」
「バット、フューカー、ヒア」
そうなんです。バンコックでもペナンでもマレーシアはヒッチ簡単と聞きました。でも、ここではほとんど車が通りません。ちゃんとした主要国道なのに。それとも、これでもタイなどよりはましなのでしょうか。比較できる経験無いためわかりません。
「ハハハ、ツデイ、イズ、サンデー、ソウ、ノービジネスカー」
えっ、今日は日曜日か、そういえば移動中は曜日の感覚どんどん無くなります。 そうなら今日一日中営業車が少ないためヒッチ大変なのでしょうか。
私「ツデイ、アフタヌーン、オルソー、ノーカー」
「オフコース」
私「ドウユー、シンク、ベター、テーク、トレイン?」
「オフコース」
こうして私の、ヒッチ初体験日は終わりました。ヒッチやめるとなるとよけい バイクの振動が尻に響きます。ジュルの駅に送ってもらうまでの30分はバイクにまたがってると言うよりエンジン付きのマッサージ器にしがみついている感覚でした。
運がいいことに、クアラルンプール行きの列車が一時過ぎにありました、これに乗り込むことにしました。到着は、夜の9時過ぎ約8時間の汽車の旅です。
列車はかなり混雑していました。途中イポでかなりの人が降りました。やっと列車が空いたと思っていたら、すぐ同じかそれ以上の人が乗り込んできました。しかもさっき同じ客車に乗っていた人がかなりいるのです。
私「さっきここに乗ってた人だよね。」
ターバン巻いたインド風の背年に話しかけました。
「そうだよ」
私「イポで降りたのじゃないの?」
「いや、クアラルンプールへ行く時は、通しで切符買うよりここで一旦降りて切符買い換えた方がずーとお得なんだ。」
バンコックで同じ事教えてもらっていました。今日は朝から早起きしてヒッチでイポあたりまでいければなんて思ってましたから、列車の切符のことなどころっと忘れていました。
マレーシアの汽車はタイに比べたら格段に快適です。まず列車の車両自体がきれいです。途中の駅がきれいに掃除されていてゴミが落ちていません。沿線の家々がタイのようにちょっとした都市の駅に入る手前の、バラック立てのスラムが並んでる風景ではありません。
一番タイとの違いを感じたのは、列車が止まったときにわっと群がってくるはずの物売りのガキどもが、マレーシアにはいません。あのむっとするようなゴミとほこりっぽい空気が緑のクロロフィルの混じった熱帯の風に変わっていました。
国境一本渡っただけでこうも世界が変わるのか、窓の外流れていくゴム園の広大な敷地見ながらため息がでました。
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