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田森くんは西へ Index page へ

vol.109 ラオス (31)

中村「ビエンチャンへ帰る話なんですが、金曜日お願いしたいと思っていたのですが、僕らタイはいるのにもう一度ビザとらなければならないです。金曜日にビエンチャンへいくとビザ申請が次の月曜日になってしまいますのでやはり火曜日にしたいのですが。」
関崎「ああ、いいですよ。君ら乗ってきた車今日の午後ビエンチャンへかえって火曜日にまたダムへくるから。」
私「えっ、僕らの乗ってきた車まだここにいるんですか?」
関崎「そうだよ、食料車今日来て、今日帰る訳じゃないから。」
私「そうすると、火曜日来る車も火曜日にビエンチャンへ帰る訳じゃないんですね。」
関崎「次の日か、あるいは場合によってはその次の日になることもあるよ。」  

おっと、居候の身で文句は言えませんが木曜出発にでもなったらビザとるのが また土日、挟んでしまいます。

私「まずいなー、たとえば今日の車にのせてもらうことできますか。なー、中村君、自分も今週中にバンコック帰らないとまずいって言ってたよな!」
関崎「まずいって!まずいって、なにがよ。」  

関崎さんの言い方すごく刺がありました。 旅行者の日本語は旅行中使っているうちに微妙なニュアンスとか言い回しが薄まってきて、シンプルな直接的な言い方が増えてきます。旅行の開放感もあるでしょうが、それ以上に日々の緊張感が精神活動上ではなく、よりベーシックな肉体的なものに必要となってくるからでしょう。  

まずいのは私らの都合であって、ふらっと転がり込んで、ドンブリ飯腹一杯詰め込んで、ナポレオンとかジョニ黒飲んでる私らが堂々といえる言葉ではありませんでした。しまったとは思ったのですが、もう喋ってしまった後です。  

多分、関崎さんはこう続けたかったのではないかと思います=別に頼んでいてもらってる訳じゃなし、お前らの都合に合わせて食堂車運行してる訳じゃねー=一瞬沈黙した後、彼は続けました。

「昼飯の後直ぐ車出るから、ビエンチャンに帰るなら荷物直ぐ片づけときな。」
そして机の上にあったトッケーの籠もって、事務所の方へ行ってしまいました