vol.103 ラオス (25)
ゴローさんの話で、座は盛り上がりました。
私「バンコックでは新聞社の取材も手伝ったなんて言ってましたが。」
中村「日本へはいったん帰るって言ってました。その後また金貯めてアメリカへ行くようなこと言ってました。」
永井「そうか、元気だったか、そりゃいいことだ。実は彼その後どうしたか少し気にはなってた。」
酒がまわってきたのか、さっきから永井さん同じ事を繰り返しています。
「クワー、クック、クワーッケイ、クワーケイ、クワーー、クワーー」
突然、森の中に動物の鳴き声が響きました。その鳴き声は森の中から聞こえて くると言うより、宿舎の中から聞こえてきてそれが回りの森に反響してるように聞こえました。それだけ、鳴き声は近くから聞こえたのです。
私「あれなんですか?鳥ですか?」
関崎「いや、爬虫類です。」
私「爬虫類って?」
関崎「蛇です」
私「へびって、蛇鳴くんですか?」
自慢じゃありませんが、私田舎出身です。田舎でうんざりするほど蛇見てます がこんな鳥のように大きな声でなく蛇見たこと有りません。蛙なら食用蛙のでかいのは不気味な声で鳴きます。しかし、もっと低音の「ブヲー、ブヲー、ブヲー」
と言う感じの鳴き声です。
関崎「ここいらの蛇は大きいからね。頭の下に空気袋のような物持っていてそれ膨らませて鳴くんだよ。」
私「青大将みたいなもんですか?」
関崎「そうだね、まああれより一回り大きいかな。錦蛇ほどの大きさはないけども。」
よく考えてみると、田舎でも大きな蛇はこれほど大きな声ではありませんが、鳴いたような気もします。熱帯の爬虫類はバラエティに富んだ生き物なのかもしれません。
私「青大将はよくネズミ追っかけて家の天井裏に入り込むことありますが、ここもそうなんですか?さっきの声えらく近くで聞こえましたが、森の中からでなく、この宿舎の天井裏からではないですか?」
中村は不安そうにベランダから食堂の天井を見上げています。都会出身のシティボーイはこういうときにはからきし元気がなくなります。
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