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田森くんは西へ Index page へ

vol.104 ラオス (26)

関崎「そうだね、田森くんの言うとおりだよ。天井裏からだよ。食堂は、食料あるからね、ネズミも住み着いてるし。ジャングルでネズミとるよりここの天井裏で待っていたほうが効率いいし。」
中村「毒有りますか。毒。その蛇。」
関崎「ないよ、いたって穏和な蛇でね、腹さえ減ってなければ一日中昼間は眠っていて夜だけ起きあがって鳴くだけで、人によってはペットにしてる人もいるくらいで。」
私「そうですよね、大きな蛇はほとんど毒ないですもんね。青大将は毒ないですし、まむしみたいなのは小さいですからね。」
中村「コブラって大きいですよ。」
関崎「大きくないよ、せいぜい中型と言う所かな。まあ、このトッケーは毒ないから、安心していいよ。」

私「あの蛇、トッケーと言うんですか?」
関崎「そうだよ。」
中村「毒ないと言っても、大きいですよね。巻き付かれたら危なくないですか。」
関崎「ほとんど人間襲った何て事は聞いたことないです。かえって、ネズミ退治してくれるので、ありがたがられてるくらいです。赤ん坊などはほんとに希にですが襲われたなんて新聞記事が出ることあるけど、新聞の三面記事だからね。本当かどうかわからんよ。」
私「そうですよね、たまに田舎の家など、家の裏が山になってると押入から布団引っぱり出したりするとき一緒に青大将がぼてっと出てくることありますし。あっ、自分の実家じゃないですよ。オヤジの実家が本当の田舎なもんで、そんな話聞いたこと有ります。実家は田舎と言っても、町の中ですから蛇なんかほとんど出ませんでしたが。」
中村「私の実家は、ほとんどじゃなくて、蛇など全然出ないです。」  

なかむらー!わるーござんしたね。そんなん言うともっと蛇の話したくさんあるデー。

私「夏はここと同じように、田舎じゃ蚊帳吊るじゃないですか。夜寝てると蚊帳が上から垂れ下がって頭すれすれになることあるんですよ。えらく寝苦しいなと思って目さめると、顔の上まで蚊帳が垂れ下がってきてたりするわけですよ。妙に生臭い匂いはするし。何だろうと思ってよく見ると、顔の上の黒い固まりは、もぞもぞ動くんですよ。目が覚めたばかりの時は頭ぼーっとしてますよね、だから何の気なしに黒い固まりを見てたら赤い点が二つ有るんですよ。黒い固まりは顔の上20cmくらいですからかえってよく見えないわけです。赤い点々を見つめてると、どうも向こうも見つめてるような気がして、手でその赤い点々をこすってみようとしたら急に赤い点々がすっと引くんですよ。瞬間からだが硬直しましたよ。蛇が蚊帳の上でどぐろ巻いてたんです。それで重さで蚊帳が垂れ下がって、蛇がちょうどぼくの顔の真上に来てたんです。それから後はどうやって部屋でたか覚えてないんですわ。」  

どんな山奥の家でもこんな体験は一生に一回あるかないかでしょう。当然私もこんな体験したことありません。話には何回も似たようなバージョンは聞いてましたし。それらしい話作るのはお手のものでした。