vol.099 ラオス (21)
ベランダに腰を下ろして宿舎の回りを見渡しました。
現地スタッフの何人かは事務所のほうにいるようですが、日本人スタッフは車で出かけたらしく誰もいませ ん。 まかないのおばさんが私の姿を見て、こちらへ歩いてきます。
「チャ?」
たぶんお茶飲むかと聞いているのでしょう。口に手を持ってきてなにかを飲むしぐさをしています。
「イエス。」
そう言って私は両手を合わせました。英語がこのおばさんに通じるかどうかは分かりません。でもイエスくらいは分かるでしょう。
中村が部屋出てきました。彼も西日のまぶしさには勝てないようです。
私「おー、おちゃのむか?」
中村「はー、飲みます。しかしよく寝ました。」
山の中は平地より早く夕日は沈んでしまいます。ここも例外ではなく、回りのジャングルは夕日を浴びて黄金色になったかと思うとすぐ元の濃いみどりになりました。
食堂のほうでは夕食の支度が始まったようです。いい匂いが漂ってきます。
「また中華かな?」
中村「いや、味噌汁の匂いしますよ。晩飯は日本食じゃないですか?」
突然の居候、いい気なもんです。しかし、お腹はちょうどいい具合になってき ています。
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