vol.097 ラオス (19)
お茶を飲み終わってすぐ昼飯でした。
本来私は大食いのほうでしたが、旅行中の予算ではそうはたくさんは食えません。香港でもタイでもビエンチャンでも、料理の味には不満はありませんでしたが、量に関しては我慢するしかありませんで
した。
なんと食堂には、大皿に盛りつけられた中華風というかラオス風中華と言うかが3、4品並び、ご飯が白いご飯が、ジャーに盛られ、食器はドンブリがおいてありました。
今まで食い物でなにが不満かというと、ご飯が主食でなかったことです。料理でご飯も出てきますが、焼きめしだとかお粥だとかに加工されて出てくることが
多く、おかずでご飯を食べれなかったことです。確かにご飯だけを頼むこともできましたが、ご飯用に出てくる茶碗は、ドンブリのような大きさではなくスープ
を一人用いれる小さな茶碗です。
それが、ここではドンブリです。感激しました。二人とも黙々と食べました。
関崎「あんたらよく食べんな!もっと遠慮せずにどんどんいってよ。」
すぐには私、答えられませんでした。食道には胃に入る前の物が詰まってましたし、口には今咀嚼中の料理が入ってます。口元には箸の上に乗ったご飯が順番がくるのを待ってます。
ひとまず、箸の上の物をドンブリに戻し、口の中の物を飲み下し、後はお茶飲んで食道の中にある物を胃に流し込まねばなりません。中村も同じ様なことやってます。
関崎「喉に詰まらせんじゃないよ。」
私「うっ、」
やっとお茶が喉に入りました。
「いやー、ご飯がうまいです。ドンブリで食うとうまいです。」
永井「ハッハッ、若いもんは食わんといかんよ!」
私「遠慮なくいただきます。日本出てから食い物だけはちゃんと食ってるつもりでしたがなにか不満でした。味は東南アジアの料理まずいもんはあまりないですけど、ご飯主食じゃないですから。」
永井「そりゃそうかもしれんね。しかしいまの若いもん、パンも好きじゃないかね。」
私「いや自分は、飯です。パン嫌いなわけではないですがやっぱご飯がいいです。自分らの中学校時代なんか、昼飯に学校の売店でパンとマーガリンとかジャム買うの、ちょっと楽しかったですけど。たまにパン食うからいいんであって、いつもならいやだったと思います。」
中村「自分の場合は、朝は今パンですから、あっ日本ではですが、パンでもそう悪くはないですが。」
私「そう言えば、自分自宅通学っていってたよね、そうかそれで朝飯食えるんだ。わしら朝遅いから普通食べへんよ。学校行くの早くとも11時半くらいだからね。そうすっと、食堂はもう昼飯やんか。この時間だと、朝定食の60円とか80円はもうあらへん。昼飯は100円が一番安い定食だからそれ頼むけど。朝飯抜きだから、昼百円使ってもまあ、トータルじゃあ安い訳よ」
永井「君ら、午前中の授業はどうするの。」
私「最初から午前中にある授業の科目はなるべくとらないようしてます。試験の時なんか、しかたないんで起きていきますけども。」
関崎「最近の大学はそうなんだ。」
私「私らの所はそうです。出席とる語学の授業以外は、皆だいたい午前中の授業出てません。」
関崎「それじゃ、午前中の講義は誰も行かないんだ。」
私「いや、少ないですけどまじめに行く人もいます。自分らのすんでる下宿の周りの連中は行かないですね。自宅通学の人は案外授業出てるみたいです。」
中村「そうですね、私らは授業でますね。うちの学校は案外まじめです。」
関崎「中村君は自宅東京だったけ。」
中村「ハイ、町田です。」
話は弾んでいます。飯を食べる速度はだんだん低下し始めました。喉にすっぱい物があがり始めました。どうも食いすぎたようです。
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