vol.093 ラオス (15)
関崎「君たちソロソロだからシートかぶって横になって。」
いよいよチェックポイントのようです。 リュックと一緒にシートの下に潜り込みました。
私「こんなもんで良いですか?」
関崎「ああ、いいんじゃない、ちょっと待って、人間の形が少し残っているからシー ト少し引っ張るよ。」
彼は現地の言葉で、コックに指示を与えたようです。一人、前の座席から後ろに回ってきてシートを直しだしました。
関崎「オッケイ、オッケイ」
コックがシートを引っ張ってちゃんと形を整えたようです。
「少し我慢してな、ホンの10分くらいだから。」
私「はあー、わかりました。でも中まで調べることないですかね?」
関崎「今までは、車の中も見ないで通ってたから大丈夫でしょう。まあ、ばれたらそん時は君たちだけビエンチャンに返されると思うけど。」
そんな簡単に片づけられたら困ります、せっかくのチャンスなのにダムまで行 きたいっすよ。
中村「僕らおとなしくしてますので、お願いします。」
関崎「今まで、きついチェック一回も受けてないので大丈夫よ!」
「おっ、検問所だ、じっとしててよ!」
私「へっ...............................。」
低いひそひそ声で、中村に話しかけました。
「中村君、緊張するなー。」
中村「そうですね、しかし暑いですね。」
タイより涼しいといってもラオスです。カンバス地の油っぽいごわごわしたシー トは暑くてたまりません。 車はまもなく止まりました。
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