vol.092 ラオス (14)
当日の朝珍しく私たち早く起きました。最近は旅行も中だるみ状態で、移動の日を除けばその日のうちにやらねばならないことはあまりありません。寝坊すれば別に次の日だって同じ事はやれます。大使館へのビザ取りであっても、ビザ出
来上がりが数日遅くなることを納得すれば、そう騒ぎ立てることもありません。
しかし今日は特別です。ラオスのビザ取って入国してるといっても、そのビザで許可されている地域はビエンチャン市内だけです。郊外に出るには別の許可を取らねばなりません。そしてそれは、短期の個人旅行者にとっては、ほとんど不可能に近いことだったのです。滅多にないチャンスですから、久々に体がしゃんとして朝もちゃんと起きれたのです。
朝飯もきちんととりました。間組の事務所の前に到着したのは7時半前でした。まだだれも来てませんでした。入り口のテラスに腰を掛けて道行く人をぼーと見ていました。
時間は、8時を少し回りました。事務所の管理人らしいのが一人来て掃除を始めました。まだ車も日本人の姿も見えません。
掃除のオヤジに聞いてみたのですが彼はにこにこ笑うだけで要領を得ません。
「ダム、ダム、カー、ディス、モーニング、ゴウ」
オヤジ「イェス、イェス」
あきません。こりゃ気長に待つしか。
八時半少し前に関崎さん来ました。
「おう、どうもどうも、あれ車まだか、もうちょっと待ててね。ちょっと事務所 に入ってコーヒーでも飲んでてよ。」
コーヒー飲んでいるところへやっと車来ました。さー出発です。
関崎「途中ちょっと気をつけてもらいたいところが有ります。30分ほど走るとビエンチャン市内へ入る境界の検問所があるから、そこだけは車の中でシートかぶってじっとしてて。車の中まで調べることないから大丈夫だけど許可証ないのに助手席に座って行くわけにもいかんしね!」
私「えっ、ずーとシートかぶって車に乗ってるんですか」
関崎「いや、検問所の手前でシートの中に入ればいいよ、そこ通ったら誰も後チ ェックしないから。」
なにかわくわくしてきます。
車は運転手と、関崎さん、コック、それと私ら二人の計5人で出発しました。 3人は前の席、後部はシートが一列有るのですがそこも荷物室も食料を詰め込んだ段ボールでいっぱいです。
ま、とりあえずは私らは後部座席の段ボール箱の隙間にリュックおいて、そのうえに座りました。20分も走ったでしょうか、もう窓の外の風景は農村です。
|