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田森くんは西へ Index page へ

vol.094 ラオス (16)

誰かが車を降りたのでしょう、ドアを開ける音と、どん、としめる音がしました。

それから数分は遠くの方で現地の言葉が聞こえてくるのみでした。たぶんドライバーが検問所へ手続きに行ったのでしょう。  

早くしてくれ、真っ暗の中でリュック抱き抱えて、我慢するのも限度はある。くるまが走ってるときは風が通りすぎますので暑さはそうは感じませんでしたが、いったん止まってしまうとキャンバス地の中は蒸し風呂です。額から汗が滴り落 ちます。  

中村に話しかけようにも、今は物音一つたててはなりません。車の近くに兵隊が来て、中をのぞき込んでいるのかもしれません。私はかなり緊張していたよう です。背中のくぼみに汗がたまってきました。それがまた痒くてたまりません。  

どん、と言う音がして運転席のドアが閉まりましたドライバーが車に帰ってき たようです。 関崎「OK,GO!」 すぐ車は走り始めました。

関崎「もうちょっとそのままな、後2、3分くらい。大きな声でなきゃしゃべっていいよ」
中村「暑いです、もう大丈夫ですか。」
関崎「ああ、いいとは思うけど、この先の民家がとぎれるところまで、ちょっと我慢な。」
私「検問所は無事だったんですか。」
関崎「いつも形式的なものだから。OK、そろそろここいらで出てきていいよ。」

二人ともシートをはねのけて顔を出しました。コックもドライバーも関崎さんも 笑ってます。

ドライバー「アー、ユー、OK?」
私「OKOK、バット、ベリーホット。」

車は農村地帯を抜け、潅木と草しか生えてない荒れ地の中を走り始めました。それから2時間ほど走ると、今度は森林地帯の中にはいります。標高は上がって気温も下がってきたようです。

私「後どれくらいですか?」
関崎「もうちょっとだね。」

30分もしないうちにダムに到着しました。