vol.059 タイ・バンコク (25) ハンサムくんに出会う
「コンニチワ。」
地図を広げて道を確認してるところへ誰かが話しかけてきました。
「えっ、」
不意を突かれてとっさに返事が出来ません。
「コンニチワ、アナタワ、タイゴ、ワカリマスカ」
英語も満足にしゃべれないのに、タイ語などしゃべれるはずありません。でも、日本語なので急にうれしくなってきました。
「えっ、日本語しゃべれるんですか」
「NO A LITTLE」
相手は2人ずれでした。一人はちょっと渋めのハンサムくんで、もう一人はそれの腰巾着風の組み合わせです。 2人とも、かなりきちんとした服装です。特にハンサムくんは不良っぽいファッションですがなかなかの着こなしです。かなり金をかけてる感じです。
「どこで日本語習ったんですか。」
「日本に留学したことがあります。」
「一年ちょっとですが」
ハンサムくん答えました。続けて話しかけてきます。
「あなたは東京からですか」
「いえ大阪からです」
私は答えました
「私は大阪大学の修士課程に留学してました。経済の勉強で。」
これで納得しました。ハンサムくんはどう見ても私より年上で、見方によっては30才くらいにも見えなくはない雰囲気があります。タイの大学卒業して日本の大学院に留学していたなら不思議ではない年齢です。
「大阪って良いところでしょう、バンコックも大阪に似てる所ありますよ。」
「そうですね、人間もフレンドリーだし」
ほめられればうれしくなります。
「日本でも東京の人は冷たいと言われます。大阪は食べ物もうまいし物価も2割は安いです。」
立ち話が10分ほど続きました。会話は最初の「コンニチワ....。」以外英語でのやりとりです。
英語もイギリス人とかアメリカ人の母国語が英語の人達と話すとなかなか会話が成立しませんが、英語が母国語でない国同士の旅行者がお互い話すと会話が案外スムーズに運びます。私も流暢ではありませんけど、知っている単語を並べていく方法でちゃんと会話は成立していました。
「ピープル、オブ、トウキョウ、イズ、ノット、ソウ、フレンドリー。バット、 オオサカ イズ、フード、20%、チープ、アンド、テイスト、グッド」
こんな感じであります。 ハンサムくんの英語は私のと違って、もっと文章になっていました。発音はタイの訛が入った英語でしたが。
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