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田森くんは西へ Index page へ

vol.041 タイ・バンコク (07)

 

部屋はラマ4世通りに面している部屋が18バーツ、廊下挟んで反対側が25バーツ、エアコン付きが35バーツでした。ダブルベッドが一個部屋の真ん中にどかんとある部屋でしたから、2人で泊まればその半額ですむのですが、あいにく私はまだ友人がここではいません。  

窓を開ければ外が見える道路側の部屋を選びました。なったって安いですから。シャワーは廊下の突き当たりに共同のものがあり、当然お湯はでなくて水のシャワーでした。  

朝から今日は移動に次ぐ移動でしたから、お腹も減っていたのですがとにかく横になりたかったのです。  
シャワーが水なのは少し不満ですが、汗と埃でべとべとの体ではそう贅沢は言っておれません。これだけ暑いところでは水のシャワーも、最初だけ我慢すればあとの爽快感は何者にも代えがたい物がありました。  

ベッドに入ったらすぐ寝込んだみたいで、目が覚めたら夜の8時をもう回って いました。体がだるくてすぐには起きあがれません。天井の大きなファンがくるくる回るのを見ながらボーとしていました。髪ももう乾いたようです。気分は落ち込んでました。一人旅最初の夜ですから、食堂に降りていくのも気後れがします。頬を二三発手のひらでたたいて気合いを入れました。鏡を見るとやはり、人畜無害の学生旅行者の顔でした。  

ドアを開けると食堂の方から鍋をコンロで擦るガラガラと言う音が聞こえてき ます。中華料理のいいにおいもしてきます。おそるおそる廊下にでてみました。 少しは足がしゃんとしてきたようです。もう晩飯を食べに行くしかありません。  

いったん部屋に戻って、枕の下に入れてあった貴重品腹巻きの中から50バーツ取り出し、Gパンのポケットにねじ込みました。暑苦しいのですか貴重品を部屋においておくわけには行きません。お腹に目立たないように巻き付け、シャツを着ました。本当は下着のシャツのまま食堂に行こうと思ったのですが、それではお腹が腹巻きで盛り上がってかえって目立ってしまいます。半袖のサファリジャケットを着込みました。靴はさすがにトレッキングシューズでは暑くて仕方がありません。沖縄で買ったビーチサンダルにしました。  

食堂は半分くらいのテーブルが空いていました。あの布袋さんのような腹をして不機嫌な顔をした親父と、ロンドンパリの兄ちゃんと、若いボーイの三人で切り盛りしていました。 表が見えるテーブルが空いていました。通行人を見ながら飯食うのもいいものです。  

今日はバンコック初日なので食事は少し豪華にすることにしました。卵焼きめしに野菜炒め、マッシュルームスープ全部で8.5バーツ。かなりの量があったのですが、お腹が減っていたので全部平らげました。終わったらやはりコーヒーを飲まねばなりません。コーヒーが0.8バーツ、日本から比べれば安いものです。やっと何か旅行がスタートした感じがしました。  

部屋に帰ってベッドに寝っころがって、ため息ばかり付いていました。「バンコックか、バンコック」 それにしても、ラマ4世通りの交通量は半端ではありません。ひっきりなしにタイヤの音と、クラクションが聞こえてきます。ここはファンだけしか付いていない部屋なので、窓を閉めるわけにいきません。やっと道路側の部屋が安い理由がわかりました。