vol.036 タイ・バンコク (02)
飛行機が止まりました。窓の外を見ると空港ビルにはちょっと遠い場所に止まっています。やがてタラップ車が機体に横付けになり、機体の入り口が開きました。どうも空港ビルに飛行機が横付けになるのではなく、いったん降りてバスに乗り換えて空港ビルに向かうようです。
通路に一列に並んで待っていた人たちの列が動き始めました。全財産の入った小型の肩掛けバックを持って私も列に並びました。タラップを降りるとそこは熱帯
の空港でした。香港は日本よりは暖かいと言ってもまだ3月ですから、トレッキングシューズにウインドヤッケでもおかしくはありません。バンコックの空港は
西日を浴びてる事を考えても熱帯でした。むっとした暑さと、香港と違う臭いが しました。香港は香辛料の香りと油の臭いでしたが、ここは青っぽいフルーツの匂いがしました。
早速、ウインドヤッケと、セーターを脱ぎました。シャツは夏用のものではなく、合い物の少し厚手のサファリジャケットでした。暑いとにかく暑い。バスに乗って空港ビルに向かう途中、開け放たれた窓から入ってくる風で少しはましになるかと思ったのですがとんでもありません。風自体が生ぬるい香りの付いたぬるま湯のようなものなので、ちっとも涼しくはありません。
空港ビル内は冷房が来ていましたのでほっと一息はつけました。入国の方は香港での大騒ぎと違いスムーズに行きました。心配性の私は神戸で前もってタイのビザをとっていましたし、東京で預けた荷物も無事でてきました。周りには私と同じ様な旅行者はいません、日本人はほとんどがビジネスマンらしい人ばかりで心細くなってきました。
これからバンコック市内まで行かなければなりません。タクシー使えば簡単ですが私のプライドが許しません。せっかく香港でここの情報は仕入れてきてあります。もう一度ノートを引っぱり出します。タクシー使わないなら、あと二つ方法がありました。バスにするか、鉄道にするか。鉄道が一番安いけど本数が多くあ
りません。バスは二通りの方法があり、リムジンバスを使うか、普通のローカルバスを使うか。
もちろん安さが至上命令です。ローカルバスに決定です。空港の案内所でバンコックの地図をもらい、市内行きのバスのことを教えてもらいました。それによれば、市内までの直行バスはリムジンサービス以外にはなく、町の端までローカルバスがあり、そこで乗り換えてバンコック中央駅の前を通るバスに乗り換える。
バス停は空港の敷地をでて前を走っている幹線道路にある。
20分ほど待ったら市内行きのバスが止まりました。
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