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【 片山くんが行く(68) 】
ヨーロッパは、住所を頼りに場所を探すのは割合簡単です。番号通りにたどっていけば直ぐ目当ての所に行き着きます。駅降りて一時間もかからない内に駐在員事務所に到着しました。外観は事務所と言うより普通のアパートの一階でした。
私「すみません、日本から来た片山っていいますが、林さんおられますか。」
事務所には50歳くらいの日本人の男性がいました。多分この人は違います、兄貴と同じくらいの年の友人のはずですから30前後と言うところです。
「えーっと、林今外出中で、あとそうだね一時間もすれば帰ってくるけど。」
私「そうですか、じゃあここで少し待たせていただけますか。」
「ああいいですよ、どうぞ、君たち今はやりの無銭旅行というやつかね。」
私「そうですね、まあそんな物かもしれません。」
「ハーグに来るのも珍しいね、最初はパリかロンドンに着いたの。」
私「いや最初はコペンハーゲンです。ヘルシンキに行く予定が旅行会社の都合でコペンになってしまいました。」
「ああ、そうか、今はやりのシベリア鉄道利用というやつだな。」
私「いや旅行会社へ申し込んだときは、シベリア鉄道利用だったのですが色々あって飛行機になったんです。」
「へー豪勢だな、直接ヨーロッパまで飛行機だったんだ。」
私「僕たちもびっくりしました、飛行機代は旅行会社が負担してくれたですが。」
「そりゃよかった、」「コーヒーでも飲むかい。」
私「すみません、ありがとうございます」
その男性奥の方に向かって大声あげました。「おーい、林さんのお客さん!、コーヒー二つ作って、あ、おれもいるから都合三つ」
実際は会話はこうはスムーズに進みません。ふたテンポ遅れた速度の会話でした。もちろん私たちの反応がです。日本語のトップモードに切り替えるのには少し時間がかかりそうです。
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