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トラベルメイト片山くんが行く

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  1. 【 片山くんが行く(65) 】

     朝早く目が覚めました。河本も目が覚めていたようです。

    私「どうする」

    河本「やっぱおれもやめるわ、ちょっとコペン長く居すぎたようにも思うし。この辺が潮時かな。少し金貯まったし、いつまでもここに居候してるわけにもいかんし。」
    「旅行にヨーロッパ来たんだから、もう次の国に行っても良いかもしれんな。」

     負け惜しみでなく、私もコペンの生活にもあまりにも慣れてしまっていたようにも思いました。このままでは、日本でアルバイト生活しているのとあまり変わりません。

    クビは良いきっかけかも知れません。

     その日は、2人とも大忙しでした。河本もやめると事務所に伝えてお金の精算をして、その日のシフトで出てきてる同僚にお別れの挨拶をして、皆ちょっとセンチになって、でももう後戻りは出来ません。一日で季節労働者から旅行者に変身です。

     この後、一週間はコペンにはいたようには思います。イブ君ちで家族みんなでささやかなさよならパーティをやってもらい、近所のごく親しいおばちゃんとか子供も来て、謎の東洋人2人組に別れを告げてくれました。二ヶ月ちょっと居ただけなのに、色々なことがあってすごく幸運に恵まれて、コペンって良い所です。何年も居たような錯覚に陥りました。

     さて次はどこに行こうか、予定はありません。このままフランスとかスペインへ向かってもかまわないわけですが、よく考えるとお金がそうたくさんあるわけではありません。スペインやイタリアなどに向かってしまうと、働くことなど絶対不可能です。

     今更ながら、オスターポートホテルは良い職場でした。デモもう仕方ありません。どこかほかでもう一稼ぎせねばなりません。

     フィンランドとかスエーデンも悪くはありませんが、最初ヨーロッパに到着したときのように仕事は一から飛び込みで探さなければなりません。それもきつい話です。

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