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トラベルメイト片山くんが行く

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  1. 【 片山くんが行く(48) 】

     よくこの日本人特有の「遠慮」と言われる事に、格好つけてるとか、素直でないとか、建て前と本音が等の意見が言われることが多いのですが、これは本当に仕方が無いことなのです。

     日本では大筋では、居候などの場合食事などいったん薦められて断って、もう一度薦められて断って三回目にじゃあと受け入れるこれが一種の決まり事となっているのです。薦める方も、何か当たり障りのない理由で、例えば若いのだからとか、今日はよく遊んだからとかいいながら、もっと食べなよと相手との距離を調整するわけです。

     その掛け合いの中で育ってきたものが、そうでない世界に来たら頭では「遠慮と言う様式」の少ない場所だとわかっていてもすぐには体が付いていきません。(どこの世界にも、遠慮に類した考えと行動はあり日本人だけの特長ではありません。個人によっても、デンマーク人であっても遠慮する控えめな人はいます。ただ程度の問題なのです。質ではなく常に量の問題なのです)

     私達にはイブ君の家の最初の一週間が体を慣らす準備期間でした。夜寝るときにその期間はちょっと、お腹が減って大変でしたが。

     この頃から、河本ともイブ君とも仕事のシフトがかわってきててんでバラバラな行動をとるようになってきました。私はイブの友人の学生と友達になりました。こいつとは妙に馬があって一時暇があればとコペンハーゲンの町で遊んだり、郊外の田舎へ行ってみたりしました。河本は相変わらずウエイターを続けていましたし、適当に女の子ともつきあっていたようです。私も、掃除専門でトイレからレストランの調理場、肉の貯蔵庫など諸、肉体労働者の部門を受け持っていました。

    女の子と言えば、そうそう最初から良い所のお嬢さんと大恋愛等出来るはずはありません。やはり私達も最初は、「コペンハーゲンのYOSHIHARA」からスタートでした。もちろんイブ君の家に居着いてからよるこっそり抜け出して遊びに行ったのではありません。それは、オーレさんのあばらやで居候してるときでした。

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