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【 片山くんが行く(47) 】
さて話は71年のコペンハーゲンに帰ります。彼の所へ泊まり始めて最初の日は遠慮なく夕食をいただきました。次の日から私たちは遠慮してパンは二切れおかずの(彼らがおかずと言う感覚有ったかはわかりませんが)一皿に制限しました。
何日か経ったとき職場で、昼飯食べてるときイブが話しかけてきました。「最近家ではあまり食べないようだけど、お袋の料理まずいかな、まあホテルの料理に比べたら困るけど、そうそうのもんだとは思うけど。」
私「美味しいよ」
イブ「そう、じゃからだの調子よくないの」
私「そうでもないけど、今だってよく食べてるだろ。」
イブ「そうだね、でもここではたくさん食べてるけど、家ではパン二切れに、他も一皿ずつだよね。」 げっ、ちゃんと覚えていたんだ。どう言えばいいかうろたえてしまいました。イブの方としてはただ単純な疑問で、私たちが彼のお袋さんの料理を食べないのは
(1)料理がまずい
(2)私たちの体調がよくない
この二つしかないわけで、ホテルの昼飯をばくばく食べてる私を見たら結論は一つ、
(1)の料理がまずいしかないわけです。
居候で遠慮していて、食べたいのだけども相手が勧めてくれるまで待つような感覚はありません。この考え方は、双方に多大なストレスを与えがちなものです。待ってるのに勧めてくれない、言われなかったからわからない。どちらの文化が高度で奥ゆかしいかと言う風な話ではなく、ここは単純に「郷に入っては郷に従え」の格言が正しいようです。私の名前もゴーですし。
私「いつも昼飯食べ過ぎてるから、帰った時おなかがあまり減ってないんだ、たまに駅前でビール飲んでからかえることもあるし。そうだなここの食い物セーブするか、ちょっと我慢すれば6時か7時には夕飯食べられからね。」イブは納得したようです。
その後、夕食の時遠慮という文化を使わないことにしました。最初は私たち少し苦痛ではあったのですが直ぐ慣れました。パン4切れなら4つ、もういっぱいスープがほしければもういっぱい、ジャガイモ後2個ほしければ2個、ほしいと言いました。
それが例えば、パン10切れにスープ3杯肉二皿であってもここの国の常識の範囲の量で有れば問題は全然なかったのです。
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