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【 片山くんが行く(45) 】
今日も昨日ほどではありませんが、お腹は減っていました。でも昨日はかなりおかわりをして、イブ家の米櫃を減らしたはずです。(コペンに米櫃ってあるんですかネ)居候ですからやはり気にはなります。河本も話さないまでも彼の表情と目がそう語っていました。
「パン、いくつ」イブの母がそう聞いてくれました。
「2つ下さい」 本当は4切れは食べれられたのですが、頼むには2個くらいが丁度良いだろうと思いました。
ス−プとか肉、じゃが芋も今日は一杯だけでおかわりをしませんでした。本当はもっと食べたかったのですがまあ居候だし、腹減れば明日のホテルの朝飯と昼飯にたくさん食べればいいことです。
次の日も私達はおかわりをしませんでした。その次の日もパン二切れに最小限の総菜、その次の次の日もそうでした。
親父さんもいい人で日本のこととか、アルバイト先のホテルの話とか、夜家族と一緒に話をしました。問題はいつまでも居候するわけにも行かないのでいつここでてアパートか下宿を借りようかと言うことでした。
ホテルの日本人アルバイトにもいろいろ聞いてみました。自分で借りると旅行費用がそうは簡単に貯まりません。
もうヨーロッパとか、アメリカなどを一周してここで骨休めかねてお金を貯めるのならそれもいいかも知れませんが、私達は日本からここへ飛行機で飛んで後は一歩もコペンハーゲンを出ていません。少なくとも今後数ヶ月間は旅行できる費用を貯めねばなりません。
ここ一ヶ月間でコペンで出会った旅行者誰に聞いても、働くならここの町が一番だと言うのです。しかも賄い付きの職場、他のホテルとかレストランは給料から食事代を後で引くところもあるし、食事が付かないところもあったのです。数日たったある日、イブの親父さんに相談しました。どこか安く滞在できるところはないのかと。
父「えっ、何かこの家に滞在できない理由でもあるのかい。」
河本「いえ、泊めていただいて大変喜んでいます、でもいつまでもここに泊めて いただくわけに行きませんし今まで泊まっていたオーレの所へもいけませ ん、もし安くこの辺りで部屋借りる方法あれば教えて下さい。」
父「何故ここに泊まってられないの」
河本「いえ、ここに不満があるわけではなく、エーどう言うのか、つまりあまり迷惑はかけられないので、やはり自分たちで部屋借りなければと思っています。」
もちろん、英語で話をしているわけですが、こんなにスムーズに会話進んでいたわけではありません。迷惑にはほかに思い浮かばなかったのでトラブルという単語を使いました。ま、結果としてはこれで良かったのですが。
父「何がトラブルなんだい。ここにいればいいじゃないか。」
大きな家なら私達の心苦しさも少しは減っていたかも知れません。ここは、私達が寝るのは居間の片隅なのです。家族が寝るまでは皆がここに集まってTV見たりお茶を飲んだりしている場所です。そのソファーの一個を私達はベッドに使い、もう一つのベッドは毎回物置から折り畳みのを引っぱり出してセッティングしていました。シーツも使います、これも私達が洗うわけではありません。
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