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【 片山くんが行く(32) 】
ホテルとの最初の約束の期日、2週間が来ました。旅行していた日本人も職場に復帰して来ました。普通ならここでまた職探しの話が始まるところですが、何かと仕事が忙しくそのまま雇ってくれることになりました。すごくラッキーです。
相も変わらず私はトイレ中心の掃除班です。帰ってきた日本人二人は、河本と同じ皿洗いと鍋洗い班です。二人の名前は、プロフェッサーと松山さんでした。松山さんとはあまり親しくはなりませんでしたが、プロフェッサーにはお世話になりました。彼もノンベーでしたから妙に馬があってよく一緒に遊びに行きました。
私達も、仕事の方はなかなか慣れて順調です。オーレくんは、相も変わらずマイペースで生活しています。彼の家に居候して10日ほどが過ぎたある日のことでした。仕事が終わって部屋に帰ったところ、見知らぬヒッピー風のが部屋で二人寝ています。
今日職場でオーレくんとは一緒だったのに、居候が増える話など一言も聞いてません。かといってこんなに何もない部屋に盗みに入る泥棒もいないでしょう。泥棒にしては落ち着いて床に寝っころがっています。彼らは体がでかいのと金髪なので北欧出身であろうとは想像が付きました。しかし一応はどっから来たか聞くのが筋です、お互い何も知らないわけですから。
河本「ウエアー、アー、ユー、フロム?」
金髪「デンマーク」
やはりこの国のやつでした。オーレとの関係を聞かねばなりません。
河本「アーユー、オーレズ、フレンド?」
金髪「ヤー」
どうも知り合いは知り合いみたいです。よく聞くとここで何日間か泊まるとのこと。私らお金を払ってるわけじゃあないし、オーレに文句を言える筋合いでもないわけですけども、やっぱ突然は困るわけです。しばらくオーレくんが帰ってくるのを待つことにしました。
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