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【 片山くんが行く(26) 】
最初の給料日までは近所の公園から毎朝出勤をしました。どうしても今減りつつあるお金が一度でも増えてからでないと宿に泊まる気にはなれなかったのです。
給料日には一気に7500円ほど手持ちが増えました。毎日食費は夕食だけですみますし、お昼に腹一杯食べておけば夕食は軽いものですみます。ここまで来てやっと私達とぎれとぎれに続いた野宿生活をやめることにしました。元々二人ともアウトドアの生活などしたくもありませんでしたから、お金さえ有れば公園野宿はおさらばです。
20日ほど続いた野宿生活、疲れました。経済的にそれしかできなければもっと続けたでしょうが、室内で眠れればそれに越したことはありません。野宿することは平面のところで眠れないことを意味します。ほとんどの100%の方が寝るときは平面の少し床から高くなっているところで眠るでしょう。和室で寝る人はほとんど床というか畳と同じレベルで眠りますが、体の下は、い草のマットがあるわけです。外は、気をつけてみられたら解りますが、平面の所は案外少ないです。もし公園のベンチが確保できたとしても、ベンチは通常平らではありません。たまに平らなものがあったとしても、寝返りを一回打てば確実に地面へ転がり落ちます。
芝生の上も普通にはグラウンドのように平らではありません。建物の軒の下はコンクリートの平らな部分はありますが、コンクリートはしたに厚いマットでも敷かない限り非常に寝苦しいものです。
日中活動しているときは、みなさん立って活動しています。しゃがんだり地面に寝っころがる事はありません。埃とか湿気も地面すれすれと、人間が立って歩く視点とほぼ1M以上の高さの差があり、その量とか体に対する影響も全然違います。
室内で寝る人達は昼間は地面近くの気候の影響はその足でしか受けません。しかも、裸足でなく靴を履いて。野宿する私達は、寝るときほとんど人間の生命活動の中心を受け持つ頭が地面ぎりぎりに置かれることになります。体にいいわけ有りません。顔の皮膚は埃と日光ですすけてきてます。目も、喉もしょぼしょぼしたりいがらっぽくなってきます。
そのころこんな事を考えて野宿をやめたわけではありませんが、手足を十分伸ばしてしたが平らなところで安心して寝たかったのです。アルバイトでお金が入ってくる今、YHの宿泊費、30クローネ前後はどうてこと有りません。
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