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【 片山くんが行く(5) 】
名詞をもらったら、専務と営業課長、海外旅行に行くときにはいちいち自宅へ訪問してくれるのかとちょっと気分がよくなりました。
営業課長
「あのう今日お伺いしましたのはほかでもありません、8月の出発、の、そのう旅行の件ですが、エー出発を遅らせていただくわけにはいかないものかと思いまして。まことに言いにくいことなのですが、ソビエトのビザが、そのう、間に合わなくなりまして出来ましたら出発を2週間ずらせていた だければと、まあ、ご無理は言ってることは重々承知しておりますが 。」
専務
「本当に申し訳有りません。田中くん(担当の女の子です)も悪気があってやったわけではないのですが、ビザを申請するのが大幅に遅れまして、ご出発まで後10日もありませんので、出来ましたら3週間有れば特急で申請しますのでどうでしょうか」
私「えっ.......。」
専務「本当に申し訳有りません。出発が遅れるようになってしまいまして。なんならヘルシンキの到着したときのホテル二、三泊は当方でお持ちしますがどんなもんでしょう。」
私「最初に申し込むときに、ソビエトのビザは少し時間がかかるので早めにパスポートをとってくださいと言われたんで5月には申請にいったんです、パスートが出来てからすぐお宅へ持っていったので間に合わないはずないでしょう」
専務「そう言われるのはごもっともなんですが、理由は課長から後で詳しく説明いたしますが、何せもう10日ではソビエトのビザがとれないものですから、まずその処理策だけでも早めに決めませんと、私どもも最大限 の努力をするつもりにはしていますが。」
私「出発日は変えられません。その日は見送りに来てもらう人にはもう連絡とってありますし、今更変更は出来ません 。」
後で、彼らもう一人の片割れ河本の所にも行ったのですが当然拒否。とにかく同じ日の同じ様な出発時間でないとみんな困ると伝えました。それから2日間は連絡が数回有ったのですが日程を変える理由がありません。見送りの人だけでも私と河本とあわせて30人弱いたのですから予定代わったぞと連絡とるのも一苦労ですし、相手に予定変更してもらうのも大変です。見送りにこれない人も出るかもしれません。
すったもんだのあげく、同じ日の同じ様な時刻の出発はシベリア回りでは無理でとうとうスカンジナビア航空のコペンハーゲン経由ヘルシンキ行きになりました。これならソビエトのビザは不要です。ラッキーと言えばラッキーですが、船とか汽車での旅もやってみたかったような気もします。出発前から一苦労です。
料金はシベリア経由のものしか当然払いませんでした。スカンジナビア航空のヘルシンキまでの料金はいくらだったのかはっきりは覚えていませんが、2倍近くはしたように思います。得と言えば得したのでしょうがあまり気分のいいことでもありませんでした。
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