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【 片山くんが行く(76) 】
二日後道場へ出向きました。少しは不安はあったのですが、コペンハーゲンのようなおそるおそる窓から中を覗く事はもうありません。ここで断られても、まだ少しは林さんちに居候できそうですし、手元にはコペンのバイト料が残ってます。
得てして余裕ある時には、物事はスムーズに進んでいきます。道場の経営者と話をしました。彼の道場は、空手の以外に柔道、テコンドウのクラスもあり、毎日どれかのクラスが開かれていました。結局は、先日の、空手教師の推薦で採用決定です。河本は柔道もできるので、そちらのクラスも見ることになりました。
週三回、夕方6時から8時まで、一人日本円換算で2万円くらい。一週間6時間ほど働けば良いわけで好条件です。それ以外の時間は、この時は何にもしませんでした。コペンハーゲンでは少し働きすぎました。ここハーグでは皿洗いではなく、自分の技術を生かして「センセイ」で金もらえます。多分もっと稼ぐ気になればどこかには働くところがあったでしょう。今回はのんびりすることにしました。
コペンハーゲンで地元の人の家に居候して、何ヶ月か過ごしたことでヨーロッパでの生活のこつとかつぼを少し学んだようです。ハーグで街歩いていても不安はないし、生徒達にも違和感あまり感じなくなってました。
もしこれが、安宿転々としていたならば、そこにある香りが染みついて、ちょっと街の風景から浮き上がった、危ない雰囲気を発散していたと思います。お金持ってなかったため働かねばならなくなって、かえって現地のルールとか考え方たち振る舞いを短期間で身につけたようです。
コペンハーゲンとハーグは違う国だし、距離も離れてますが、東京とコペンハーゲンの距離に比べれば目と鼻の先です。何も知らないまま飛び込んで過ごしたホテルのレストランでの日々は、旅行を続ける上での予行演習としては最高のものでした。
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