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【 リロとハズキのチャリトリップ(3)(旅の第一歩) 】
翌日、私たちはボンベイの空港に降り立った。ダッカでの乗換え便は、葉月が言った通りちゃんと我々を待っていてくれた。
「ふぁー、よくねた」タラップをおりると、葉月が大きくのびをした。昨日の午後成田にいたのが、一晩寝ただけでもうインドについてしまった。時差のぶんだけ時間が増えたとはいえ、あちこち立ち寄ったわりには早く感じる。飛行機にのるたびに、地球という星がちっぽけでささやかな存在であると感じる。早朝の空港に立つと、ひんやりした大気に包まれ、寝起きの体に心地よい。ボンベイ市内の喧噪や排気ガスは、ここまで届いていないようだ。
遅々として進まない入国審査の列に並んでいると、ターンテーブルの上を私達の荷物が流れているのが、ゲート越しにみえた。一つ二つとかぞえ、最後に自転車の入った輪行袋を二つ確認すると、ほっとする。まずは第一段階をクリアしたといった感じだ。バッグの数は、後輪の両側に取り付けるサイドバッグとハンドルの前に置くフロントバッグで一人3つだけだ。テントや寝袋をもたないので、重さは二〇キロ未満、装備はギリギリの最小限にとどめた。
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