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トラベルメイト片山くんが行く

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片山くんが行く vol.88

 

「飾り窓」へいく

 ハーグでの生活は今までで一番充実してきていました。仕事がある、日本人の知り合いもいる、教える仕事である。車はある。毎日道場の仕事あるわけではないので時間を見つけては車でオランダの各地を回りました。ある時は林さんと一緒だったし、道場の生徒と一緒のこともありました。

 落ち着いてくると、私ら若いわけで夜の方がやはり必要でした。多分このまま何年かハーグに居続ければここでもっと友人も出来たでしょうし、多分恋人だって出来たに違いありません。しかしまだ2,3ヶ月の滞在では普通の女の子とお知り合いになれるチャンス等皆無に等しいのです。ましてほとんど暑苦しい男の世界です、武道の世界は。手っ取り早いのは、「飾り窓」でありました。

 一週間に一度は、河本と行きました。コペンハーゲンに到着初日のポルノ本のお店で喉がからからになって、一冊25$とか30$の本を買うので迷いに迷ったのは10年も前のように思えます。この時の料金、ショートで40ギルダーだったのを今でも覚えています。だいたい日本円で4000円、現在なら2,3万円と言うところでしょうか?

 夕方は相変わらず、ビールを一杯です。道場の仕事があったときはもちろん、仕事無い日でも一杯。周りの人種もアフリカ系から、アングロサクソン系白人、ラテン系白人、アジア人(こちら系はいるにはいましたが、私たちを含めてそうは多くありませんでした。)一目ではどこ系とは解らない人達。オランダは自由、雑多、大雑把、何でもあり、元気、多様性、な国でありました。

 ある日河本と、日課のビールを一杯、リラックスの時でした。

「日本人の方ですか?」
突然声をかけられました。
決して流ちょうとは言い難いのですが、たどたどしくもありません。日本人との会話かなり慣れてる様子です。

 話しかけてきた人は、「一目では判別できない系」の人でした。身長は160cm位、髪は縮れ毛、ずんぐりむっくり、肌は褐色と言うより黒くかといって真っ黒ではない微妙な色合いでした。

リラックスして一度たるんだ頭を必死で回転させました。
日本語喋れる、となると韓国、台湾、中国の東北、しかし体型と皮膚の色からして違うみたい。台湾の山岳民族の人達とも違う。

ハワイか、実際ハワイの元々いた人達皮膚の色黒くなかったはず。確信持てないけどそうだったような記憶がある。
だけど本当にどこだろう。よくわかりません。

 

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