新しい部屋をさがす
林さん所への居候も、３ヶ月くらいはＯＫと言ってくれてはいましたが何とか食い扶持は稼げそうですので自分たちで探すことにしました。こう言うときは仕事場のある強みです。しかも今度は教える立場の先生です。
道場から歩いていける距離に生徒の家がありました。運がいいことに屋根裏部屋があいていました。さすがにここはダッチカウント（割り勘）の本場、ただで良いよと言ってくれるとは思ってはいませんが、ちょっとは期待していました。
が、きっちり相場の料金を取られました。ま、今までが運が良すぎただけで当たり前の話ではあります。
生徒達の職業も、学生から社会人までバラエティに富んでいました。この辺りがコペンのアルバイトと大きく違ったところでした。コペンはホテルに関した職業の人達ばかり、その中でもレストラン関連の人達がメインでしたから、ハーグでは世の中への接点が一気に広がりました。
道場側でも本物の日本人が正統な（本場物と言う意味で）空手を持ち込んでくれて、オリエンタルな武道が異国趣味の味付けの中途半端なまま漂っていたのが一本筋の通った、日本の武道の空手系統が加わったのです。特に「ヌンチャク」は多分ハーグの人達は初めて現物と、現物の演武を見たのではないでしょうか。
皆ほしがりましたが簡単には手に入りません。多分今なら通販で直ぐ注文できるのでしょうが、この頃からあった武道専門誌（「ＳＡＭＵＲＡＩ」というマニアックなのがありました）にも柔道着とか剣道の防具、木刀くらいは広告に載ってた様に思いますがさすがにヌンチャクは記憶にありません。
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