パリの仏教徒(4)
二人で安宿街まで連れて行ってくれることになりました。車に乗ってる間中、河本は日本仏教マニアの彼氏のお相手でした。空手とか剣道の武道の話へ持っていこうとするのですがデフォルトは「日本の仏教」らしくて話題がちょっとでもとぎれると元に戻ってしまいます。
３０分ほど走るとごみごみした下町に到着しました。
「２，３ホテル当たってみるかい。」
特別好みがあるわけではありません、選べるような予算もありません。
「安くて清潔ならどこだっていいよ。」
３件ホテル回りました。地元の人がいると手早く物事が進んでいきます、どのホテルも似たようなものでした。普通ならもっと探し回る所ですが今日はパリ初日、適当でいい適当で。最後のホテルで決まりです。
明日ソフイーは用事あるけど彼氏の方は都合がつくと言うことで朝ホテルへ来てもらうことにしました。車あるので通常なら迎えに行って合流するところですが、道がまだよくわかりません。ちょっと図々しいかなとは思ったのですが好意に甘えることにしました。
「じゃあ明日朝、パリ市内おもだった場所案内するよ。」
「有り難う、道おしえてもらえば車は大丈夫、ホランドで運転してたからホント、助かる、じゃあ明日朝。」
思えば、ヨーロッパ到着当時から比べれば、数ヶ月ですが英語上手くなっていました。簡単な日常会話なら、言葉のキャッチボール意識しないで何とかなっていました。
彼ら帰った後で、気が付きました。車、今ホテルの前に泊めてあるけど、どうするんだ。受付の親父に聞きました。
「僕ら車で来たんだけど、車どこに止めておけばいい？」
「車！ホテル専用の駐車場はない。駐車場少し離れたところにはあるが、１０分くらい歩く距離だよ。」
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