パリの仏教徒(3)
部屋をざっと見渡したところ私たちが泊めてもらえそうな広さはありません。本人のベッドルームに台所、トイレは共同でしょうかそれともベッドルームの中にあるのでしょうか。
ぼそぼそと気弱な表情見せながら彼は、日本の仏教の事をしゃべり始めました。そりゃー小さな頃から、慣れ親しんだ線香の臭いの記憶はまだあったとしても、今は別に最近身内で葬式あったわけでもないし。
それより、私の頭の中は部屋の間取りで一杯でした。待てよ、あそこの隅に毛布ひけば何とかなるか、そうすると冷蔵庫の前だから邪魔か、入り口の左はすきま風が入ってきそうで寒そうだ。旅行慣れしてきたおかげで計算だけは素早くできるようになっていました。
河本が会話の相手をし始めました。
文化の話はさておいて、今日泊まるところを決めなければいけません。ソフイーに聞いてみました。
「何処か安いホテルないだろうか。パリは初めてだからよくわからなくて。」
「どの辺りに泊まりたい、駅の近くだとか、下町が良いとか、学生が多いところとか、何処か希望はない?」
「イヤー、安ければまあどんなとこでも我慢できるけど、最初は観光局にでも行って地図もらおうと思っていたけど、ソフイーを車に乗っけてここまで直接来たからパリの安宿の相場もわからない。」
ヒッチで乗せてあげたんだからとは言いませんでしたが、狭くても良いからここへ泊めてと少しは意味を込めたつもりです。
「それなら北駅の近くが良いかもしれない、ねえ北駅の近く安いところあったよね。」
ま、しょうがないですかね。ここはコペンではないですから。
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