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「トラベルメイト98」
  1. 【 旅行業で喰うひとびと(13) 】


  2.  なんか、旅行の入門講座なのにトラブル中心の話が多いですね。これは本当にそうなんでしようがありません。元々「トラベル」と「トラブル」は同じルーツの言葉であったことはご承知の方は多いと思います。これはコインの表と裏と理解していただくしか有りません。コインを説明するには表も裏も説明しなければ説明したことにはなりません。

     みなさんには、成功して楽しかった話より、失敗したり、失敗しそうになった危ない話の方がより現実味を持って受け入れることが出来ると思います。どんな失敗の実例があって、どこまでなら大丈夫なのか、大丈夫でないならその前兆は予知できるのか。より現実的な話を蓄積すれば、何か起こったときの対応が違ってきます。知っていても防ぎようがないトラブルもありますが、知っていたら防げるトラブルも多いです。少しでもこの講座でみなさんが現実的な対応がとれるようになることを願います。

     美男美女しか出てこない渡辺淳一の小説とか、気分のいい生活しかかかれていないワタセセイゾウの漫画、ハッピーエンドの大恋愛小説のハーレクインロマンだけで全て世の中が表現されていると思っている人はたぶんおられないでしょう。「人の不幸は蜜の味 」とも言います。こちらの方が現実をより表してるよう思いませんか。

     「おしん」は、日本のみならず東南アジア、イランなどで大ヒットしました。、最初貧乏なところからその努力によって主人公は成功します。たくさんの人が、「おしん」を見てその蜜の味を味わったことでしょう。主人公に同化した自分は最終的にはハッピーエンドにならねば自分も救われません。

     たしかに「おしん」では ハッピーエンディングです。「蜜」の余韻は快適でしたでしょう。現実は、そこでは終わりません。その息子によって中国東南アジアに広がったスーパーのネットワーク「ヤオハン」は、去年終焉を迎えました。一気に暗転です。しかしまだこの物語は続くかもしれません。またその一家の中から第二の「おしん」が出てきて30年後にヤオハンがアメリカのスーパーの代名詞になるかもしれません。

     現実の物語は、永遠に続いていきます「ネバーエンディングストーリー」です。残念なことにほとんどの人が天寿を全うしたとしても70年から80年の人生しか体験できません。この中で実際に自分で動ける時期は20才から60才くらいの間40年でしょう。

     この期限が限られた間では、ハッピーエンドで終わる人もいれば、そんな役回りばかり回ってくる人もいますでしょう。もし300年くらい人がいきられたとしたらどんな人でもチャンスはたぶん平等でしょう。(結果は分かりませんが)

     現実にはチャンスは平等ではないわけですが、常にほとんどの人が現実しか選べませんからその面ではみなさん平等であります。たぶん個々の人にとって、悪い現実、望んでない現実、まあまあの現実、幸運の現実たくさんあると思います。

     日々選べるのは目の前にある現実一個しかないわけですから、理想論は指針としてはいいでしょうが、そのために現実を自分でつかまないで人任せにしたり、なにもしないでパスし続けたりはお勧めできません。

     旅行会社は広告のコピーのようにすばらしい体験を売ってるわけではありません、旅行会社はいい加減な手配で常に旅行者の懐をねらってるわけでもありません。

     旅行会社社員は常に旅行に関してたくさんの知識を持って完璧な手配を心がけてるわけではありません、旅行会社社員は全部がとほほのいい加減な奴ばかりでもありません。

     旅行者は全部が全て素直な心で旅を楽しんでいる人ばかりとは限りません、旅行者は常に無理難題をふっかけてくる人達ではありません。

     そう言ったところで現実の旅行の世界を体験するために次は実際の旅行の手配の話を始めます。

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