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「トラベルメイト98」
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【 旅行業で喰うひとびと(12) 】
さて最近、パットさんの消息が聞こえてきました。話としては「ヒッチハイカーが乗った車は、恐怖の点滴男が運転していた」です。もちろん点滴しながら、車を運転していたのは「パット」さんです。ビビッタ、ヒッチハイカーは名前を知りません。ですがこの話はまたの機会にいたしましょう。また脱線して本筋の話が出来なくなりますから。
(12)で旅行業で喰うひとびとはまとめに入ります。今までお話ししてきたことで一番みなさんに解ってほしいことは、何でも出来ることと出来ないことがあり、理想のイメージの旅行者も旅行会社も旅行会社社員も存在はすることもありますがほんの一瞬だったり、非常に少数の人だったりします。現実は、やはり現実でありイメージのすれ違いはあり、故意の手配ミスとしか思えないようなものから、どうしようもない手配のトラブルまで必ず三者三様の原因と結果があります。
スムーズに旅行がいってるときはいいのですが、そうでないときは現実の条件の中でお互いの知力を尽くしての交渉になります。トラブれば、たぶんお互い腹を割ってと言う話は、口先だけでは有っても、実際には自分に不利なことはお互いしゃべらない形になっていくと思います。法律上はそうであっても道義的な責任はとか、これは銭金の問題ではなく信義の問題だとかの話は必ずトラブルの時にはでてきます。これは交渉の一つのテクニックでお互い言い合う分には悪くはないと思いますが、本当に道義的責任とか、信義などの遂行を完全にお互いが求めたとしたら、絶対落ちない飛行機を設計しないからこの飛行機事故は起きたんだ、努力が足りないからの結果だから全面的にこっちの言い分を認めろと主張するのと同様です。
飛行機は何年かあるいは何万回かのフライトに一回必ず落ちます。事故が起こってしまったとしたら、その原因を追及して、誰がどれだけ責任をとらねばいけないか交渉事を始めねばなりません。お互い必ず不満はでてきます。ですが、最初に道義的責任とか人間の信義に反してとか、100%のギブアップを求めそこから被害者側の温情で責任をマイナスして行ってやるやり方では、今までは少しは通じる部分はあったにせよ今後は通じなくなってくると思います。逆に100%のギブアップはなんの考えもなく、「OK悪いのは全部私だよ、それでどうしたの」と開き直るのと一緒のことです。
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