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183. 【　旅行業界入門（９）　】
     
     　今現在海外旅行業界にいる人たちはどうでしょう。この人たちは私が説明するまでもなくあまりハッピーではありません。景気悪いですから。旅行は基本的にお金の余裕があって遊びに出かけるものですから以前のように前年比５０％増とかはないわけで、よくて微減か現状維持の昨今は嬉しくはありません。
     
     　旅行の単価はどんどん下がっています。オフシーズンでも一人１５万円前後だったヨーロッパ行きの航空券（ヨーロッパ系の航空会社）も１０万以下に下がってきています。５人手配したとしたら航空券１５万円の時は、売り上げ７５万円航空券９万円の時は売り上げ４５万円、この業界は手数料商売ですから手数料１０％だとしたら（通常、航空券のみで１０％はありません、５％〜７％くらいが良いところです）いままで、７万５千円あった粗利が、４万５千円に下がります。
     
     　４割粗利が下がったら、手間も４割減るかというとそうではありません。一人にかかる手間はそうは変わらないわけです。四割分の粗利が消えると言うことは何かを削らねばいつかは、赤字が大きくなりすぎてお金回らなくなってきます。
     
     　手配をシステム化して少人数で大量の旅行者を扱えるようにするのも一つの手です。インターネット使って、データーベースとか表計算ソフトを縦横無尽に使って、当然社内のコンピューターはＬＡＮでつないで各人が持ってるデーターを共有、世の中の動向、航空会社の動き、世界各地のイベント、等々に目を光らせアップツーデートで情報を手に入れる。
     
     　ほとんどの旅行会社でこんな理想的なことは不可能です。社内ＬＡＮにしても半端ではないお金いります。単独のコンピューターでさえ原因不明の動作停止があるのに、それが何台もつなげてあってプリンターも共有、ＭＯも共有、スキャナーも共有、仕事している全員が同じレベルの技術持ってるわけでなく、雷も落ちるし、蛸足配線のコード引っかけて何台かのコンピューター電源切れてしまうことあるし、電源だけでなくコード引っかけりゃースキャナーだってプリンターだって机の上から床に激しく落っこちることだってあります。
     
     　何にも悪い事してないのに
     「このプログラムは不正な処理を行ったので、強制終了されます。」
     
     おい、おーい、強制終了されちゃ困るんだよー。後３０分で仕事終わんなきゃいけないのに。
     
     「終了されない場合は、プログラムの製造元に連絡してください。」ってか！
     
     　どこへ連絡すんだよ。マイクロソフトか、ＬＡＮを組んでくれた会社か、業務ソフト買ったとこか！！！
     
     　もちろん、ＬＡＮを組むだけのお金出せない会社だってたくさんあります。そういうところは、粗利の４割減のカットは人件費を落とすしかありません。人減らしても短期なら何とかはやっていけるものです。後サービス残業という手もありますし。
     
     　暗いですね、この業界の人。ほとんどの人が経営者もバイトも正社員もパートも含めてうんうんうなずいていることでしょう。
     
     

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