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「トラベルメイト98」
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【 旅行業界入門(6) 】
旅行業界入門(5)では、通常の旅行業務は添乗とか旅行の企画などではなく本当に日々地味な仕事の繰り返しであると説明しました。一般的なメディアで(マニアックなところはちょっと違いますが)語られる旅行業界の仕事はほんのんの少数の特殊な仕事であることもお話ししました。
こういうイメージと実際のもののギャップはどの業界にもあるものですが、旅行業界は特に海外旅行に関してはまだまだ一歩引いて構えなおして、という感じが残っている訳で、ちょっとだけ特殊かなと思います。
ちょうど一年ほど前に宝島社から「実録、旅行業界のヒミツ」という本が出版されています。¥1,100.これなかなかよくできた本です。読んでみてください。ここに話されてることまったく100%その通りとはいいませんが業界の実像に近いものを感じるにはいいと思います。
もしあなたがまだ社会人ではなく旅行業界にこれからトライししようとしていたとしたら、下記の目的での応募はやめておいた方がいいようです。
1)楽してお金が儲かる。
これは、今の業界のやり方がまずいのであって自分の方法なら絶対儲かると思っている人も含まれます。半端な企画と知識、時間でどうとでもなるような業界ではありません。幸運はすごく長い時間の中で一瞬だけ目の前を通り過ぎます。それならもっと楽に同じ努力でお金儲けができる業界はたくさんあります。その稼いだお金で「旅行商品」を買った方が数倍楽です。
今オフシーズンなら、ニューヨーク一週間ホテル込み10万以下でOKな時代です。12/31ニューヨーク発、東京往復、199.9$なんて航空券もあったわけですから。
2)国際交流のすばらしい仕事ができる。
ほとんどの旅行会社社員が携わっている仕事の中に国際交流の「こ」の字も含まれていません。数百円単位のコスト計算の積み上げの仕事です。政府とか公官庁の決まった予算の消化国際交流の仕事でもない限り建前の国際交流は表にでてきません。
毎日靴すり減らして、飛び込みセールスか、サービス残業の予約案内発送かフライト変更のお詫び電話が延々続きます。
3)海外旅行関連の仕事まあ悪くはないと思う
イメージは悪くありませんし、売ってる商品も悪くありません。ただ希少価値とか、人と違った個性的な仕事ができると思っていたとしたら、それはもう違います。猫も杓子も海外旅行が趣味の上位です。小学校時代から親と一緒に旅行するお子様たちもたくさんいます。10数年前から、小中学校が休みになる日がちょっとしたピークシーズンになってます。帰国日のピークは最近は、海外旅行など行ったことない方が希少価値かも知れません。
4)今旅行関係の専門学校で勉強してる
ま、旅行関連の仕事したいから専門学校に通っているとは思います。そこで学んだこと実際に生かしたいと思うでしょう。で、実際どの程度専門学校生が使えるかというと、私の所では1970年代後半から旅行者崩れのプータさんを使っていました、アルバイトには学生もたくさん雇いました。80年中盤から専門学校生も体験アルバイトの形で年二回のピークシーズンには数人ずつ2ヶ月くらい臨時できてもらいました。
結果は
プータ=学生>専門学校生、
学生?プータ>専門学校生
プータ!学生>専門学校生
どう転んでも、どんな人がきても、男でも女でも、性格の良い悪いを差し引いても、専門学校生はプータ、学生の左には来ませんでした。
このあたり次回もう少し詳しくお話しします。
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