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「トラベルメイト98」
  1. 【 旅行業入門(5) 】

     (1)〜(5)の職種は架空のものではなく確かにあります。しかしこれらを紹介することで旅行業界全部が語り尽くされているかというとそうではありません。業界を代表するイメージとしてメディアで取り上げられやすいということのみで実際の職種というか、大部分の旅行会社社員が日々働いている職種の中のほんの一部分で、しかもかなり特殊な部門になります。

     もしあなたがかなり名の知れた旅行会社に入社できたとします。その会社が海外旅行のみ扱っているところならあなたの従事するお仕事はもちろん海外旅行関連の仕事です。

     ところが国内旅行も含めて旅行全般を扱っていたとしたら、配置される部門が海外旅行関連とは限りません。日本国内の旅行部門に配置されるかもしれません。定期券売り場へ回されることだってあります。修学旅行の専門のところへ行かされるかもしれません。(修学旅行が悪いとは言いませんが、私の好みで言わせていただければ熟年のビジネスクラス利用の「スペイン豪華ツアー」の添乗はしたいと思いますが、中高校生の京都奈良の修学旅行に添乗したいとは思いません。それに先生相手のセールスとか接待できましたらやりたくない仕事の部類です。「先生」と呼ばれる人たち相手の商売は一般的にやりにくい方に入ってますが、実際そのとおーーーーーりですし。)

     身分の安定を求めて、大手に入ると海外旅行の仕事にたどり着けない人もかなり出てきます。国内旅行ならまだ旅行のお仕事ですが総務とか経理の仕事をする人も必要ですし。

     最初から海外旅行専門の中堅旅行会社はどうでしょう。ここなら、総務とか経理の仕事で入社しない限りまずは海外旅行部門に回されます。それはそれでバン万歳なのですが、ほんの数回個人旅行しただけの経験ではお客を連れて行くだけの能力はありません。多分よほど忙しくて添乗に出られる人がいなくて仕方なく新人のあなたにお鉢が回ってくるとき以外は「海外旅行の添乗」のお仕事は回ってはきません。

     最近は、添乗専門のお仕事もありますので自社で対応しきれない場合自社の新人を海外に出すより外注してしまうケースが多いようです。

     もっと小さい中堅以下のかなり個性的な専門旅行会社に入社できたとしたらたぶん新人でも何らかの形で添乗っぽいことはすぐ体験できると思います。しかしこういう特殊なところはあなたが特殊な目的か目的地に熟知してることがまず前提条件になりますしその会社の関係者と姻戚関係だとか、親しい知り合いなどの強力なコネが必要な場合が多いです。

     ということは、ここも一般的なお話で対応できる場所ではありません。ならば毎日旅行会社社員で海外旅行関連の人たちはどんな仕事してるかといいますと、個人旅行専門のところは電話とかインターネット手紙で申し込みしてきた人達の処理に明け暮れています。団体旅行専門のところは週最低二回は販売会議があってそれが終われば、売上目標を達成するために企画書もってセールスに歩き回ることになります。

     個人旅行関連はすべての手配の部分でミスの無いようチェックを繰り返します。これは頭と心かなりすり減らします。団体旅行関連は、飛び込みセールスも含めて回る回数でほぼ売上が決まってきます。企画さえちゃんとしたものがあればもっと簡単に売上が伸びるのにと思ったあなた、企画のユニークさが世の流れにうまくぶち当たって信じられないほどの売上が伸びるケースは万に一つしかありません。

     私の30年間の経験で言えば、企画のよさから自分でも信じられないくらい大当たりしたケースは今まで2回だけです。「中国自由旅行」と「モンゴルバイクツアー」あと中あたりが「インドヒッピー旅行」小あたりが「ベトナム自由旅行」「北朝鮮自由旅行」それ以外の企画は発表前は全部これは絶対いけると思ってるのですが、結果はかす続き。

     エアオン(航空券のみ)の場合で、2回、エアサイアム(もうつぶれて飛んでません)とヨルダン航空のバンコク経由ヨーロッパ便、あとは年末のピークシーズンの、パンナム(これももうつぶれました)の世界一周便利用のデリー単純往復。

     エアサイアムのヨーロッパ便は某チケットブローカーの企画に乗って売りまくりましたので正確にいうと自社企画とはいえませんが、何せほかの航空会社より安かったので大量にさばきまくりました。

     このときこの航空券を買って、荷物がなくなったか遅れて届いたかのトラブルにあったのが「吉行和子姉妹」、エアサイアムにヨルダン航空ですもんね!自分達で売っていて言うのも何なんですが!!!

     ほかの飛行機よりとにかく安かったですから。アンマンの空港でパリとかロンドンの人気都市は先着順でいっぱいになり、のんびり乗り継ぎカウンターに現れたお客さんはその日に飛んでいるヨーロッパ行きに適当に振り分けられたりしたこともありました。

    「今日はアムス行きがあるからそっちでどうか?」てなことになるわけです。航空券には「パリ行き」のオッケーが入っていても、早いもの順で搭乗券配っちゃったあとですから、ないものはないわけです。

     私ら旅行代理店の仕事は航空券に旅行者の希望どおりにOKを記載することですから、一応責任はないといえ荷物の件も含めて

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     海外旅行初期にこんな面白い航空券使ってヨーロッパへ飛んだ大女優を私は尊敬します。たぶん「岸恵子親子」などこんな航空券使った経験はないと思います。

     えーっと、話の本題なんでしたっけ。次のアップで本題へ話し戻そうと思います

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