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「トラベルメイト98」
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【 心の病(3) 】
精神病、あるいは精神的な不適応も、細菌感染の病気と基本的には一緒です。自分の実力、能力をオーバーした事態が起こって現実の対応がうまくできなくなってしまう、これは旅行者全員に可能性はあります。
精神がやんでしまう人とそうではない人は、旅行出発前の国内の生活からおおまかにですが分けることが出来るようです。
世間ずれしていて、タフで何回も修羅場を経験してきている人は、海外旅行に出てもそれなりの適応力でたくましく生きるでしょうし、世間ずれして無くて、いい人で人並みはずれて繊細な人は何かと大変な旅行をすることになります。
旅行は未知との世界の新鮮な拘留による感動がわき上がるなんて思えるのは、全てがうまくまわっている、ほんの少しの人が、最高の条件で、短期間の旅行に出かけられたときだけです。
今あなたが、日本で住んでいる環境がたまらなく嫌で、私は周りから受け入れられなくて実力以下に不当に冷遇されている、それに引き替え海外には夢があるそう思っていたとします。
多分あなたは海外でも同じ事を繰り返すでしょう、ここは自分のいるところではない、もっと何か自分にあったところがあるはずだ。この国じゃない、じゃ次の国か、そこにもない、そして次の国、その次、その次。次、つぎ、ツギ...。
日本語が通じ、長い時間かけて日本のいろいろなことを知り(生まれたときからいるわけですから当然と言えば当然ですが)、近所には決して仲がいいわけではないけども知り合いが何人かいて、それでもストレスを感じる人が、言葉もわからずその社会一般の習慣も知らず、知り合いが一人もいない国に旅行するとしたら、ストレスなどと言う生やさしい言葉で表される状態ではなく、パニックに追い込まれることになります。
日本でも、日常生活がスムーズではないと思ってるあなたが、海外に出て目先が変わったとしても、すんなりと新しい自分が見つけられるでしょうか。私は多分、日本にいるよりよけい不適応がどんどん進み、もっともっと頭の中が白くなっていくと思います。頭の外に生えている髪も白くなって行くでしょう。
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