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トラベルメイトトラベルメイト98

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「トラベルメイト98」
  1. 【 心の病(2) 】

    精神的な病につて少し触れておきます。あちこちでよく言われている「自分探しの旅」、旅に出れば今までと違った自分が探せて、本当の自分に会えるかも知れない....。これは地面に移る自分の頭の影を足で踏もうとしているようなものです。

     踏めそうだけどもうチョットで影は逃げてしまう。やり方が悪いかも知れない、もっと足のスピードを上げれば出来そうだ、今日出来なくとも明日こそ出きるかもしれない.....。

     出来ません、絶対に出来ません。アイテムそろえて隠れキャラにあって、敵を倒せばボーナスポイントがもらえて、パワーアップが出来る。...な訳ありません。

     本当に近い自分「F」から始まって、本当に本物の自分[A」まで数々の国に旅行して、沢山の人にあって、いろんな事件に遭遇して、上海にあった自分「F」からエルパソにあった自分「E」、ロサンゼルスにあった自分「D」、そしてカトマンズにあった自分「C」、「B」は飛ばして何か本物の自分がありそうなインドでの自分「A」。(インドは最近何かと精神主義派の人達によく使われる目的地です)旅先で、未来の本物の自分が、プレステのCDROMのように転がっていてそれをセットすれば本物の自分が出来上がるわけではありません。

     「本当の自分」とか「自分探しの旅」の様なフレーズは、ここ最近メディアでよく目にします。若手では小林紀晴、蔵前仁一、チョット古くは、下川裕治等の人々は直接この言葉使わなくとも、「これ系」の人々です。出来もしないことをさも出来るように言葉の遊びだけの文章で語り薦めるのです。

     薦められた方は半信半疑ながら、「自分探しの旅」を始めるわけですが、得てして「自分探し」をする人は、日本で「自分」があまりない人ですから、外国に出ていくら外を見渡しても新しい「本当の自分」等あるはずありません。

     もともと自分とは、あなたの内側のことを言いますから内側に核のない人が外から新しい物を入れようと思ってもただのデーターが入っただけで咀嚼して肉にすることなど出来ません。

     例えば講演会の壇上で内容を理解してない話を丸暗記で喋ろうと思ったとしても、覚えられる量には限りがあります。内容を理解している話なら、要所要所をきちっと押さえて自分なりの言葉で沢山の量をわかりやすくこなすことが出来ます。

     「自分を探す」言い換えれば「自分をわかる」事は、外に問題を探しに行くことではなく、今いる日常生活をしている場所で「自分」をどうするかという話なのです。たまに行く非日常生活の中(海外旅行中など)で、無理して明るく振る舞ったりすることではありません。

     無精卵はどんなによい条件で大切に扱ったとしても、いずれは生命をうまず腐る運命でしかありません。有精卵なら、条件がよければいずれ新しい生命が生まれるかも知れません。このところをよーーーーく、考えて下さい。

     何があっても海外に本物の自分があると思ってる人は、メーテルリンクの「青い鳥」を読み返されることをお勧めします。(「青い鳥」は、深読みすると別の意味があるようですが、普通にとっていただければと思います)

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