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「トラベルメイト98」
  1. 【 旅行のトラブル編:前書き(2) 】

     元々トラブルが多い、業種でその解決方法はあるのでしょうか。前書(1)で述べたようなニッチをねらえとか、消費者に受け入れられる面白くて個性的な企画を努力すればまだまだ旅行会社は存在価値があるなんて机上の空論はなしにしてです。

     こう書くと机上の空論ではなく実際にそれを努力して成功している会社はある、こことあそことあの会社もそうだ。旅行関係の雑誌にも出てたし、一般紙にも取り上げられた、おまえの言ってることは努力をしてないものの戯言だという方が必ず現れます。それはそうですものすごくあたってるし、実際そういう会社もあることはあります。それは認めます、ただ常にそれは少数です、そして短期間です。会社でも人間個人でも、全てがうまく動く瞬間はそう長くはないし、回数も多くありません。

     と言うことは簡単な算数の問題です。大部分の旅行者にはそのサービスは行き渡りません。あなた方にいろんな情報を伝えるメディア関連の人はたぶんあなたよりましなサービスを受けれると思います。

     なぜなら、こんな事は言わなくともたぶんわかりますでしょう。彼らは社会的なレイノルズ数が高いのです。(レイノルズ数とは流体力学の粘りの程度を表す数字です。詳しくは、トラベルメイト95を読んで下さい。)彼らは、普通一般の人より情報は早いし、情報を伝えるのがその商売の目的のため取材対象からより早くより安くより良いものを受け取るチャンスが多いのです。

     さすがにそのことをそのまま一般の人の情報として流すことはないでしょうが、自分の手に入る情報のレベルでものを書かれた日には、読み物としては面白いし、スクープの価値があったとしても、さて同じ事をあなたが(旅行の初心者で旅行業界にこねも何もないと仮定してですよ)実行に移そうと思っても、絶対同じ事は出来ません。これだけは断言できます。

     さらに追い打ちをかけるようで悪いのですが、お勧めとか話題になってると言うことで一般紙とかTV、どこでも手に入る雑誌などに紹介された時は決まってその会社とか個人はピークを過ぎてしまったときなのです。その会社とか個人がマニアックな時を過ぎて一般受けするときまで一般紙、一般雑誌、TV(最近出来た衛星放送などのチャンネルではなく地上波のTVです)はじっと待ってます。いわゆる世論の評価が定まってからでないと、記事にはしてもらえません。三面記事なら評価もくそも事件になればいやでも載っけてもらえますが。

     ピークを過ぎた会社とか個人のサービスを、少数の人が受けることが出来るならまだ万々歳でしょうが、一般メディアは沢山の人の目に触れます。触れた瞬間から多数の人が申し込むサービスになります。結果は、ニッチも個性もない大量生産品のサービスでしかあり得なくなります。大量生産品の品質はやはりかなりのトラブルは我慢しなければなりません。

     そのサービスを申し込まなかった人は、逆にその紹介されたサービスの提供者は何ヶ月か何年かは頭の中に残ることになります。良いイメージだけが相当多数の人に残像として残ります。これもなかなかやっかいな事になります。そのイメージだけを持って1年半後に旅行を申し込むとしますと、ピークを過ぎてさらに下降線を辿ったもっと低いサービスしか受けられないからです。

     最近の例で言えば旅行会社ではないのですが、コンピューターの販売会社で「STEP」と言う会社がありました。ほんの数年前はあちこちの雑誌新聞TVで取り上げられていた会社です。「五つのN0」と言う標語でも有名でした。

     電気製品のマニアの間では、市川でしこしこ商売しているときから有名でした。それからほんの数年経たない内に時代の寵児としてメディアに露出始めます。そのときはもう私らの間では評判がかなり落ちていました。ほかと比べてそう言われるほど安くはないし、商品の納入がどんどん遅くなってきてました。今ほどではないにせよ、7,8年前のコンピューターも一ヶ月納入時期がずれたら、買ったときはSTEPが安くとも商品が届いたときは、ヨドバシカメラが安かったりという例は多々ありました。

     つぶれる2年ほど前はさすがに、悪い情報も少しづつ出てくるようにはなりましたがまだ一般メディアでは安くてお勧めと紹介されていました。この頃は、あそこは一ヶ月待って商品が届くのは早いほうだと噂がたち始めてました。でも広告見るとほかの所より安いのです。人によってはちゃんと期日通りに商品が届くこともあったので、あくまで噂の域は出なかったのです。しかしマニアの間では、安くて良いところの評価ではなく、安いのだがリスキーの評価に下がっていました。



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