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「トラベルメイト98」
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【 日本の海外旅行の歴史6 】
少し長めになってきました。この項のつぎの(7)で旅行史は打ち止めにしておきます。書けば本一冊分くらいはありますが、マニアックに掘り下げてもみなさんにはあまり興味ない話になってしまうでしょう。旅行を楽しむための講座ですから次からはもっと実用的な話になります。
80年代から90年代にかけては急激な海外旅行者の増加が始まります。今をときめく「HIS、MAP」などの格安航空券屋さんは80年代初期に商売をスタートさせました。(本当の最初、個人でマンションの一室でスタートさせたのはたぶん70年代後半でしょうが。HISは最初新宿の東京医大の前のワンルームマンションが最初だったよう記憶してます。押入の唐紙をとっぱずして、そこに今から東京近郊の大学に貼るマジックインクで書いた手書きポスターが、何十本もおいてありました。MAPは京都で、、長くなるのでこれらの話題は後で時間があればお話ししましょう)
ガイドブックも地球の歩き方が79年に出版開始されます。最初は売れ筋の「アメリカ、ヨーロッパ」です。それまでは各地の見所とかレストランを紹介したガイドブックはありましたが、個人旅行者が参考にできるようなものは非常に少なかったのです。(ヨーロッパに関しては、アーサー、フロマーの”一日5$の旅”の訳本がもう出版されていたように思います)
海外旅行一般向けのガイドブックは、日本交通公社出版局の「外国旅行案内」が1952年のこと、実業之日本社の「ブルーガイドブック」は1965年のことです。ブルーガイドブックの中にも個人旅行のガイドっぽいのも出版されています。70年前後「ヨーロッパユースホステルの旅」というのが、大阪の海外旅行研究会編(それとも辻井編かな)で出されました。〜これは記憶があまり定かではないので、後で調べます〜
マニア向け旅行機関誌「オデッセイ」も発行されます。はじめは手書きの原稿がそのままのっかっていた同人誌風のものでした。最初は70年代中盤だったように思います。(これも後で調べます、)オデッセイは当初からあまりヨーロッパとかアメリカのページはありませんでした。一般的な表舞台のガイドブックがやっとアメリカヨーロッパの個人旅行者対象のガイドブックの出版企画を始めたときは、マニアの目的地はヨーロッパの先のアフリカとかアメリカ合衆国の先の中南米、南米に向かっていました。
もちろん距離もあまり離れてない東南アジアはちょっとぶらぶらするには最適なところでしたからよくとりあげられました。インド亜大陸(ネパール、パキスタン、バングラデシュ、スリランカも含めて)は、方角的には東南アジアの先にあるところですが、旅行経路から行くとヨーロッパの先にあると行ってもいい場所です。で、よくここもオデッセイに載りました。
”ただそこに行ってぶらぶらする旅行”の対象としては、マニアックな人たちの間では70年代前半で、もうヨーロッパ、アメリカはちょっと古くなってきてたのです。(何か特定の目的を持った人たちにとってはここからが出番でした。その場所での基本的な旅行状況が解ったのですから後は各目的に一直線でエネルギーを投入できます、たとえばイタリアオペラ、フランスのバレエ、アメリカの国立の自然公園でのキャンプ等々)
さて次の(7)で旅行史はいったん打ち止めとしますが、(7)では主に旅のパーツの中で一番大きな比重を占める「格安航空券」と呼ばれるパーツの歴史を語りましょう。たぶん本邦初公開ですよ!
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