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「トラベルメイト95」
- 【冗談じゃないよ】
金をかけない旅は、見られら無い物だらけです。せっかく時間と少なくはないお金を使って、「著名な観光地を見にゆく金と時間がなかっただけ」と下川氏はうそぶていますが、観光地というのはかれの好きな現地の文化の集大成みたいな部分もあります。そこを見ずに、旅行すること自体現地文化に大変失礼なこととは思いませんか?
パリのシャンゼリゼに行った、アグラのタージマハルに行った、カトマンズのスワイヤンブナートも見た、ナイヤガラも見たイグアスフォールも行った、スフィンクスも見たセントラルパークも行った、大英博物館も見た、そういう積み重ねが例えば映画を見ていて「おっ、いったことがあるぜ」、ビートルズのレコードジャケットを見ながら「ペニーレーンでとった俺の写真があるよ」と言えるだけでぐっと現地が親しい物に変わっていくのです。観光地は遊びとしての旅行の基本中の基本です。
しつこくさらにしつこく繰り返します。
「貧しい旅でなければ見えない物がある」というのは百%間違っています。
「貧しい旅はみれない物がたくさんあります」あるいは「貧しい旅でなければもっと沢山のものが見れたのに」と言うのが正しいのです。確かに六〇年代七〇年代の旅はほとんどの長期の個人旅行者は貧乏旅行でした。貧乏旅行でしたけどもなるべく沢山の物を見て、ちょっとでも長く旅行しようとしていましたし、実際そうしていました。それは貧乏旅行だったから沢山の物を見て。長く旅行をしたのではありません。「貧乏旅行だったけれども」と続くのです。後の部分を続けましょうかそれはこうなります。
でも「もっとお金を使えたら、もっともっと沢山の国を回りじっくりと旅行できるのに」
言葉のすり替えはいけません、いくら似たような言葉でも使い方によっては真反対の意味になってしまいます。
十二万円を持って、L当たり何キロ走れるかのクルマのエコノランのような旅行は面白くありません。今の日本ならもっと余裕を持って旅行に出かけられるはずです。七〇年代の結果としての貧乏旅行を上辺だけまねした格好だけの「貧乏旅行」を九〇年代に薦めることもありませんでしょう。
お金はもっと稼いで、余裕を持って旅行しましょうね!
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