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トラベルメイトトラベルメイト95

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「トラベルメイト95」
  1. 【さらに違うタイプの旅行の本を書いた三人】

     年輩の方、少しは肩こりが取れましたでしょうか?もう少し年齢が下がって九五年現在で四十五才から六十才くらいの人達はこの本に見覚えがありますでしょう。日本が爆発的な経済発展をスタートするちょっと前の海外がまだ映画の世界でしか体験できなかった時代の本「何でも見てやろう」最初は河出書房から一九六一年に発行されベストセラーになった本です。今は講談社文庫で発行されてます。ちなみに東京オリンピックは一九六四年です、そんな時代でありました。

     この本はアメリカへ留学生としてわたった著者小田実が、アメリカから帰国の間に旅行したヨーロッパ、中近東、アジアについてみたことを書いた本です。アメリカを出発したのが一九五九年十月日本に到着したのが一九六〇年四月このあいだ数カ月間、所持金は二百US$一日平均一$とちょっと、いくら三十年以上前の一$と言ってもこれはかなりかつかつの予算です。

     この辺りが一時はやった、無銭旅行あるいは貧乏旅行のルーツになります。実際かなりの人が貧乏旅行なる物に出かけられるようになったのは十年後の一九七〇年代を待たなければなりませんでした。何故って?海外貧乏旅行へ出かけるお金が六〇年代では、普通の人の稼ぎでは、ちょっとやそっとでは手に入らなかったからです。七〇年代になってやっと貧乏旅行へ行けるだけのお金の余裕が特に学生の間で出来始めていたのです。

     まあ一度読んでみてください、まだまだ色あせてはいません。この本が書かれた時代より、実際の国が無くなったり分裂したり、社会状況がかなり変わったりで実用書としては使いようがありませんが物の見方という点では充分実用になります。反面これを越える本が未だ三十数年経っていても出てないことをちょっと寂しくは思いますが。読めば肩こりはきっとかなり軽くなります。この本は中学生から上のすべての年齢職業の人にお薦めします。

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