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トラベルメイトトラベルメイト95

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「トラベルメイト95」
  1. 【航空券という商品と予約ということ】

     またかと思われるかもしれませんが航空券は一番大事だし、旅行の費用のうちでも最も高価な物ですから角度を変えて色々な面から何回も説明させて貰います。解るまで説明します、少なくとも解ったと思えるまで説明します。しつこさと反復くり返しは旅行の極意の一つです。

     旅行会社の方から見て航空券の予約があったときどういう具合に手配が進んでいくのかを見てみましょう。

    一)問い合わせ
    電話だけではなくFAX、手紙、パソコン通信、直接の来社、問い合わせの方法はたくさんありますがまず一般的なのは電話です。ですから電話での問い合わせと言うことで話をはじめさせて貰います。

    ケースとしてはUSAのそうですね、フロリダ州のマイアミにしましょうか。アメリカは他の地域に比べて割り引き航空券の種類がべらぼうに多くシーズンによってまた条件が良く変わるところなのでお手本にするにはぴったりです。

    マイアミに行きたいと問い合わせがあると、係員の有機物コンピューターはフル回転を始めます。

    「一」出発日はいつか料金はほとんどの場合出発日で決まっています。夏期のピークシーズン等は−七月十九日までと、七月二十日−からと一日違いで料金が何万円も違ってきます。ですから出発日を聞くことは料金を伝えるときに大変重要な条件です。(稀に帰国日も料金の決定に影響を与えることもありますがほとんどの航空会社では帰国日のシーズンは料金には関係しません。)

    「二」何日間滞在するのか、帰国日は出発前に決めていけるのか(FIX)、現地で変更する可能性があるのか(OPEN)−−基本的に短期間の滞在で、帰国日が出発前に決まっている航空券が一番安くなります。例えばアメリカ行きで一年OPENの航空券などは、FIXものより数万円料金が上がり、アメリカ系の航空会社は手配できずアジア系の航空会社のみ手配可能です。

    「三」料金優先か、日程とか経由地優先なのか−−安いのは何かが不便だから安いのであって、直行便がいいとか発着時間がいいとかの条件を付けると料金はアップします。
    以上の三つの条件を聞いて手配はスタートします。

    二)手配
    十日間くらいで帰国日も変更なしで、アメリカの他の都市によらないとしたら直行便があるのはアメリカンエアラインです。料金は九万千円(九十五年十月出発)。もっと安くならないのと思う人は必ずいます。

     東京からロサンゼルスとかニューヨークへの単純往復ならもっと安い航空会社はあります、ブラジル航空とか大韓航空、アシアナ航空などがそうです。ですが、ロサンゼルスからマイアミ、あるいはニューヨークからマイアミの航空券は別払いになります。

     計算してみますと、東京ロサンゼルス間がまずブラジル航空で五万六千円、それにユナイテッド航空会社の航空券が五百五十六ドル(約六万円弱)合計で十一万六千円、そのうえロサンゼルスで行き帰りとも乗り継ぎしなければなりません。

     ニューヨーク経由でも同じ事です。ニューヨークまでは安くともその先の航空券の料金がかかるのでトータルですと安くはなりません。

     東京からマイアミへ行く途中に寄りたい街があるとします。例えば、ロサンゼルスとメンフィスにします。こうなるとアメリカン航空ではちょっと飛んでない区間があるので手配が難しくなります。無理して回せば手配できないこともありませんが北へ飛んだり南へ飛んだりでなかなか大変な旅行になってしまいます。乗り継ぎがうまく行く航空会社はノースウエスト航空と言うことになります。

     どうしても一年OPENの航空券でなくてはいけないときは、ユナイテッド航空を使い十一万四千円を払うか、アジア系の航空会社でロサンゼルスまで、それから先はアメリカン航空の一年OPENものの航空券を付け足すことになります。

     もし十一カ月以内で良いのでしたら、デルタ航空が候補に挙がります。ただし直行便はないのでポートランドとダラス経由で二回乗り換えになります。

     この様にあなたの出す条件によって利用可能な航空会社はどんどん変わっていきます。まあ次に話を進める為に一番単純な最初の直行便で十日以内に帰国する事にしましょう。

     予約する航空券と、出発日時が決まりました。十一月七日発−十一月十六日帰国、人数は一名、予約を入れますたぶん一回目の電話でもう行きのAA二十六便、帰りのAA二十七便は直ぐOKでしょう。回答は直ぐあなたに伝えられます。こういう風にオフシーズンなら、希望日を予約することとその日にOKが取れることがほとんど同時になります。

     次に出発希望日が十二月二十九日発で−帰国日が一月七日としましょう。アメリカン航空で予約を入れたとします。申し込んだのが十月下旬とします。オフシーズンのように直ぐには回答が来ません。運が良ければ十一月初めには往復OKの回答が来るかもしれません。だいたいの場合、十二月になっても回答は来ません。

    そうなるとほとんどの人が聞きます「いつになったらOKとれるんですか?」

    旅行会社側の答えは決まってます。「可能性は段々高くなってはいるのですが、いつとは断定できません。航空会社の方で順番が回ってきたらOKくれると思いますのでそれまで待ってください。」

    もう一度聞きたくなります「その順番とやらが回ってくるのはいつですか。」

    こう言うのを将棋で言えば千日手と言います。何回聞いても何回答えても回答が出ません。
    予約を希望日に頼むのと、その予約がOK取れると言うことは別の話です。そして航空券はOKが取れてない日にちでも発券出来るのもあります。(OPEN航空券などはそうです)

     往復が取れていて旅行日程を変更しないのでしたらFIX航空券を発券する事になりますが、往復が取れていても帰国日を変更する可能性があるのでしたらOPEN航空券を発券する事になります。

     OPEN航空券は帰国日の日時を予約していっても、予約しなくともどちらでも発券は可能です。ただし一月初旬のような混み合っている日時に帰国便の予約のOKを取っていないOPEN航空券を持って出発するのは無謀です。航空券自体有効であっても、それはあくまで予約がOK取れた日時で乗れる権利があると言うことだけで、予約のOKを保証する物ではありません。

     何か本当に面倒ですね、航空券の利用方法完全に解りましたか。まだ良く解らない人用にもう少し詳しく旅行という商品と、他の商品の違いを説明しておきます。


    *22【その予約いつ取れますか】

     この質問は、どこの国が面白いですか、どこへ行けば良いんでしょうと言う質問と同じで答えようがありません。「たぶん一カ月前には調整に入りますので少しはチャンスが出てくるかもしれません」「去年の例で言えば十日前で何とかOK来ましたが」等のように推測でしか物が言えません。何故でしょうか、それは旅行という商品が他の商品と違っているからです。その違いを理解しないといつまで経っても同じ質問のくり返しです。

     まず予約が取れると言うことはどう言うことでしょうか。もう一度おさらいしてみます。この際説明をシンプルにするため、パッケージの申し込みではなく、バンコックの単純往復の航空券の申し込みで説明します。

     バンコックに行きたいと思い立ったら旅行会社に電話します。その時、正確には航空券の申し込みと予約を同時にします。この時、いろいろの条件を相談して航空会社と、航空券の種類も決めます。航空券の種類を決めないと予約が出来ません。使う航空券によって予約出来るクラスが決まっているからです。

     このクラスは単純に、F(P)/C(J)/Yの三つのクラスではありません。Yのクラスでも十種類前後のクラス分けがあります。

     たまに航空会社へ直接電話をして、Yクラスの席を往復取ってから旅行会社に連絡して、「安い航空券を切ってください、予約はもう取ってありますから」と、おっしゃる人がおられますが単純にYを使える、割引航空券は少なく、使えたとしてもかなり料金が高い部類に入る航空券しか切れません。

     さて、航空会社によってQとかM、KとかS等とこの航空券にはこのクラスと決まっています。今回は、「S」クラスしか使えない航空券としましょう。このクラスは一番安い航空券に使うクラスとします。

     まず十一月初旬の祭日ではない月曜日発で金曜日帰りとします。よほど特別なグループが同じ日に予約してない限り直ぐOKがとれます。後は支払いを済ませて、出発案内か航空券を貰って手続きは終わります。

     次には同じ十一月でも金曜日発の日曜日帰りはどうでしょう。週末は少し混み合います、「S」クラスは満席かもしれません。そのばあいは、いくらほかの「Y」とか「M」があいていてもOKはくれません。ただ、出発1カ月前になっても「S」クラス以外ががら空きならば、他のクラスより「S」へ席が回ってきます。出発2週間になっても全体的に席は空いていて「S」のみが満席ならば、もう一度調整が入り席が回ってきます。こういうケースの場合は「いつ席が取れますでしょうか」と言う問いにちゃんと答えられます。

     旅行申し込みが出発の一カ月前だった時は、「S」が満席でもコンピューターを見れば他のクラスがかなりあいているのは判るわけですから、一カ月を切ったときに調整すればたぶんOKが来ることくらいは想像が出来ます。一応航空会社の予約に確認後「出発一カ月前の今週末にはたぶんOKの回答が来るとは思いますので二、三日待ってください」と言えるわけです。

     出発二週間前だったときも同じです、この時も全体的に空き席が多く、「S」と「W」が満席だけれども他のクラスが、かなりあいていれば「席の調整に手間取っていまして、もう二、三日待ってもらえればたぶんOKきます」と答えることは出来ます。

     さてほとんどの方が旅行に行きたがる年末の予約はどうでしょう。十二月二十九日に出発して年明けの一月三日に帰国するとします。年末は混み合うことくらい想像は出来ますから、いつもより早めに九月の初旬に予約をしたとします。でも残念ながら考えることは皆ほとんど同じです。「F」「C」はたぶん空いています。「Y」も空いているかもしれません。

     ですがそれ以外のクラスは満席になっていますでしょう。これは実際に席が埋まっていると言うよりも、どこへ今年は何席振り分けようかと言う調整が終わってないため予約を受けてないことが多いからです。じっさいに搭乗者の名前が航空会社に入り始めるのは出発の四十五日前くらいからです。しかもこういう年末のおいしい席は(誰もが行きたがると言う点で)航空券だけで売るよりは、パッケージ旅行にして売った方が儲かります。となると、席の売り方がパターン売りとなります。通常バンコックは、三泊四日のパターンが多いですから、十二月二十九日発だと帰りは一月一日になります。年末などのピークの席はまず最初は、パッケージ用のパターンで売られます。

     例えばハワイは四泊六日、バリ島も四泊六日、その目的地ごとのパターンで予約すると、パターン以外の日時の予約より本当に数倍席が取りやすくなります。今回の予約は十二月二十九日に出発して一月三日が帰国日ですからハワイとかバリ島ならパターンの予約ですがバンコックなら、パターン外の予約です、非常に取りにくい席になります。

     もし六か月とか八カ月前の予約ならどうでしょう、航空会社によっては少数ですが安めの航空券などに使う「S」の様なクラス(実際にSクラスと言うのがあるわけではなく例えばの話です。)を半年以上前から予約受け付けをしてるところもあります。そういうケースは予約のOKが早々と来ます。(ただし料金は半年前では決まってないことが多い)、

     三カ月前ですと普通運賃用のクラスを除いて席は空いていません。この頃の予約ですと、パッケージ用の席が整理される一カ月前くらいまで何の動きもないことが多いのです。ただし、ピークの席全部がパッケージ用に使われるわけではありません、最近では航空券のみのマーケットも全体から見ればかなりの割合を占めていますのでいくら年末でもある程度は航空券のみのマーケットに回されます。基本的には予約の早い順にこれらの席は割り当てられていきます。

     さあ出発一ヶ月前になりました、パッケージの席もエアオンリーの席もいったん整理が終わりました。ここから各旅行会社OKが取れた人の入金確認が始まります。予約のみでなく本当に出発する人の確認をするわけです。混んでいるときは一カ所の予約だけではありませんから、OKが取れた人は何カ所か掛けてある予約をキャンセルし始めます。こうして延べ人数の予約が実数の予約に絞り込まれていきます。

     出発一カ月を切りますと、混み合っているためパッケージはホテルとかガイドの現地手配が難しくなります。ここからがエアオンリー(航空券のみの)のマーケットの独壇場になります。

     このマーケットは航空券の往復が取れれば出発する人達ですから、手配は簡単です。席が何席か調整で取れる、予約して待ってる人にOKを出す、直ぐ入金の確認、これのくり返しです。

     それでもまだまだ席は足りません、そうかと言ってバンコックなど年末は出発の十日前くらいになると「F」「C」も含めて全部の席が満席になります。この様な状態の時にまだ席が取れてない人はかなりもう危ない状態です。「いつ席はOK取れますか」この質問はあまり意味を持たなくなってきます。「Y」の席はあるのだけれども、「S」が無いのでもうちょっと待てば調整が終わって席が回ってくるのではないし、パッケージ用に用意されていた席が出発一カ月前になってもまだ売れないので航空会社の方へかえってくるめどがあるわけでもないからです。

     単純に席がない状況だからです。出発希望日に空き席がなければ席が空くまで待たなければなりません。席が空くと言うことは今予約のOKが取れている人が何らかの事情で旅行の取りやめをすると言うことです。「いつ席が取れますか」と言うことは、言い換えれば、「今予約のOKを取っている人達がいつ何人予約取り消しをしますか」と言うことなのです。こんな事予測できると思いますか。しかも予約のOKを取っている人達はこの時期なら支払いも済ませています。

     この様に予約をしたのだけれども、いったん満席(ウエイティング、とかキャンセル待ちと言います)になった状態は、一通りではありません。「いつOKが取れるのでしょう」と言う問いに対し、答えられるケースもありますし、「今OK持ってる人が何人キャンセルになるか判るはずがないじゃん、」と答えられないケースもあります。むしろ旅行会社側からの「いつまで待てます、出発十日前に取れることもありますし、それが七日前の事もあります、もちろん三日前になっても席が取れないと言うこともあり得ます、で、いつまで待てます。」と言う問いかけしかできないことが多いのです。

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